自動運転カーや自動運転クルマ椅子など、人が関与しなくても自ら動けるプロダクトの価値を最大限生かすためには、シェアの仕組みを構築することが欠かせない。なんせ、あるユーザーがそのプロダクトを使っていない時間、ほかに使いたいユーザーのもとにそのプロダクトが自ら移動してくれるのだから。
今まではあるプロダクトをシェアをしようとしたとき、「そのプロダクトを誰かのもとに持っていく」か「そのプロダクトを誰かが取りに来る」という手間が必ず生じた。自動運転や自律走行が可能なプロダクトは、こうした手間を無くしてくれる。
実はこうした発想で未来の事業を設計している企業は少なくない。米EV(電気自動車)大手テスラは、顧客に販売したテスラの自動運転車を自動運転タクシー(ロボットタクシー)として有効活用する仕組みを構築しようとしている。顧客が乗っていない時間に車両を有効活用し、売上をテスラと顧客で分け合おうというものだ。
【参考】関連記事としては「ロボットタクシーとは?自動運転技術で無人化、テスラなど参入」も参照。
日本においても最近気になる発表が最近あった。自動運転ベンチャーZMPは2020年3月12日、自社開発する自動運転の1人乗りロボ「RakuRo」をシェアするサービスの構築を支援していくことを発表した。自動運転クルマ椅子としても活用できるRakuRoをシェアする仕組みが介護施設などで導入できれば、導入の費用対効果は自ずと高くなっていく。
つまり、自動運転車に限らず、自動運転クルマ椅子に限らず、製品の開発とともにサービスの開発も進めていくことが重要というだ。ただ作って売るだけではなく、サービスと抱き合わせで市場展開を模索すべき時代が既に訪れているのだ。
【参考】関連記事としては「自動運転、難易度は6つの評価軸で考えよう」も参照。