アメリカ電気自動車(EV)大手テスラ・モーターズのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は2018年6月10日(現地時間)、完全自動運転の実現に向けた本格的な基本システムとなる「オートパイロット・バージョン9」を2カ月後の8月にも発表することを、ツイッター上で明らかにした。
オートパイロットはテスラ社が開発している運転支援機能で、テスラ社が販売している量産型EVの「モデル3」や多目的スポーツ車(SUV)タイプEVの「モデルX」などに搭載されている。
イーロン・マスクCEOはツイッター上でバージョン9(V9)の発表時期について触れた上で「With V9, we will begin to enable full self-driving features.」と発言しており、完全自動運転機能の実現を目指した取り組みを本格的にスタートさせることを示唆した。
That issue is better in latest Autopilot software rolling out now & fully fixed in August update as part of our long-awaited Tesla Version 9. To date, Autopilot resources have rightly focused entirely on safety. With V9, we will begin to enable full self-driving features.
— Elon Musk (@elonmusk) June 10, 2018
テスラ社をめぐっては、過去2度の死亡事故や赤字額の増加、人材の流出、生産計画の遅れなどのニュースが世界的に取り沙汰され、開発体制や企業体質などを疑問視する声が自動車業界のほか、一般消費者や投資家などからもあがっていた。そんな中、イーロン・マスク氏のツイッターの発言は同社の起死回生の起点になる可能性もある。
テスラ社は売上自体は右肩上がりに伸ばしており、2017年には日本円にして1兆円超えの117億ドル(1兆3000億円)を達成している。今後、組織再編や完全自動運転を実現するシステムの開発を加速させ、収益化の道を模索する。
提携解消2年で明暗 赤字1800億円のテスラとインテル系モービルアイ 自動運転最前線 https://t.co/OUr7noR0Di @jidountenlabさんから
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 10, 2018
【参考】テスラ・モーターズの事業動向などについては「提携解消2年で明暗 赤字1800億円のテスラとインテル系モービルアイ 自動運転最前線|自動運転ラボ 」も参照。
イーロン・マスク氏はAI(人工知能)と脳波を接続する技術を自動運転車にも応用する取り組みなども進めている。既に同氏はこれらの技術を手掛けるスタートアップ企業Neuralink(ニューラリンク)を設立しており、現在技術者などの募集をしながら事業展開に着手している。
【参考】詳しくは「AIと脳波を接続だと…? イーロンマスクの野望と自動運転とテスラ|自動運転ラボ 」を参照。