東芝の社内表彰「田中久重賞」、今年は自動運転関連!画像認識AIプロセッサーを開発

人の代わりに「見て・理解して・判断する」



出典:東芝デバイス&ストレージ社プレスリリース

株式会社東芝(本社:東京都港区/代表執行役社長:綱川智)が公式サイト内で、今年の社内表彰「田中久重賞」の対象者が、車載向け画像認識AIプロセッサー「Visconti」の開発に携わった技術者2人になったことに触れている。

田中久重賞は天才技術者でもあった同社の創業者の名を冠した賞で、例年1人に授与されている。2人に授与されるのは異例のようだ。受賞者は東芝研究開発センターのメディアAIラボラトリー室長である岡田隆三氏と東芝デバイス&ストレージのデバイス&ストレージ研究開発センター長である宮森高氏だ。


▼基礎研究と製品開発、二人の技術者が拓く、待望の自動運転の未来|Toshiba Clip
https://www.toshiba-clip.com/detail/8193

2人が開発に携わったViscontiとはどのようなものなのか。

■人間の代わりに「見て・理解して・判断する」

東芝の公式サイト内での説明によれば、Viscontiは自動運転実現のための中心となる技術を有する製品だ。最新のViscontiは人間の代わりに「見て・理解して・判断する」という高精度でリアルタイムな画像認識を、同社従来品と比べ低消費電力で行うことに成功した。脳の神経回路をモデル化した「ディープラーニング技術」も搭載されている。

もう少し詳しく説明するなら、カメラからの入力映像を画像処理したあとに、人や顔、車両などの対象物とその動きを検出して、検出結果を出力する画像認識プロセッサのことだ。画像認識処理に必要なアルゴリズムを高速に実行できる処理性能の高さが特徴で、ADAS(先進運転支援システム)機能や自動運転機能にも役立つ。


■運転者の姿勢や顔の向きも認識し、注意喚起

例えばViscontiを用いると、運転者の姿勢や顔の向きを認識し、居眠りや周囲の状況に気を取られた場合に注意喚起を行うことが可能になる。また駐車する際には駐車可能なスペースを認識し、カメラ画像から自車周辺360度を監視しながらスマートな駐車を支援する。

さらに夜間の自動車専用道路走行中は安全な車間距離を保ち、自車線をキープすることにも役立つ。

■【まとめ】運転支援技術から自動運転技術へ

Viscontiは現在は運転支援技術に用いられているが、この技術が自動運転技術の確立にもつながっていく。東芝のViscontiの今後の最新情報に注目だ。

【参考】関連記事としては「東芝デバイス、画像認識を低消費電力で実現するAI搭載プロセッサーを展示 自動運転やADAS向け」も参照。



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