SteraVision、「見たいところを見たい精度で見る」LiDARの開発加速 自動運転の精度向上に寄与

産総研発ベンチャー、資金調達を発表



センサー開発などに取り組む株式会社SteraVision(本社:茨城県つくば市/代表取締役社長:上塚尚登)=ステラビジョン=は2021年4月15日までに、LiDAR(ライダー)開発を加速させるため、第三者割当増資による資金調達を実施したことを発表した。







■自動運転に用いられるLiDARとは?

LiDARとは「Light Detection and Ranging(光による検知と測距)」の略称で、レーザー光を照射したあとに散乱や反射光を観測することによって距離を測定することができる光センサーのことだ。

自動運転では、道路の幅や車線数、先行車、対向車、歩行者などとの距離情報をセンサーで測定することが必要だ。LiDARはこれらの情報を精密に測定するために活用される。雨などの悪天候に弱い欠点があるが、他のセンサーに比べて対象物を識別する能力が非常に高い。

■人間の目と同等の視覚機能を持つ全天候型LiDARを開発へ

SteraVisionは、「ユニバーサル・マテリアルズ・インキュベーター2号投資事業有限責任組合」と「360ipジャパンファンド1号投資事業有限責任組合」を引受先とする第三者割当増資による資金調達を実施した。

資金調達によって同社は、「MultiPol」(マルチポル)と呼ばれるソリッドステートスキャナーと、霧・豪雨・スモッグなどの悪天候に強い「FMCW(周波数変調連続波)方式」を組み合わせた、業界初の全天候型のFMCW-LiDARの開発を加速させるとのことだ。

従来のLiDARでは人間の目と同等の視覚機能を有することができなかったが、人間の目のような任意領域の重点計測が可能になるという。要は、「見たいところを見たい精度で見る」ことが可能になる。

■【まとめ】新開発LiDARが自動運転技術の精度向上に寄与

SteraVisionは産業技術総合研究所(産総研)発のベンチャー企業だ。産総研は国内産業や社会に役立つ技術開発を総合的に行っている研究機関で、SteraVisionの代表取締役社長を務める上塚尚登氏は元々、通信用デバイスの開発で産総研に入所していた。

上塚氏は通信用デバイスの技術を自動車のLiDARのスキャナーに活用できることに気づき、製品化を見据えて2016年12月にSteraVisionを設立し、2018年に製品化のための資金の融資を受け、企業としての取り組みが本格始動した。

自動運転の精度を上げるためには、センサー群、特にLiDARの機能向上が急務だ。SteraVisionが開発する「見たいところを見たい精度で見る」ことが可能なLiDARも、自動運転技術の精度向上に大きく寄与することになりそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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