誤差数cm!リアルタイム高精度測位に自動運転業界が熱視線 KDDIとジェノバがタッグ

ドローン調査などで既に導入実績も



KDDI株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:髙橋誠)と、高精度測位情報の配信を手掛ける株式会社ジェノバ(本社:東京都千代田区/代表取締役社長: 河野芳道)は2020年4月29日までに、誤差数センチのリアルタイム測位が可能な「高度測位情報配信サービス」の提供に向け、業務提携したと発表した。

業務提携は4月15日付。新たに提供するサービスは自動運転をはじめとする新技術の実用化に貢献する。自動運転では位置情報の高い精度が実現できなければ、周辺を走行する自動車や歩行者との衝突事故を招きかねないからだ。


従来のGPS(全地球測位システム)単独での測位は、精度的に自動運転での活用には課題があった。ただジェノバの独自の特許技術を活かせば、誤差数センチの精度を可能にする。この技術とKDDIの自動運転に関する知見を組み合わせ、新たな高度測位情報配信サービスの提供が目指される形だ。

詳しい仕組みは下記の図を参考にしてほしい。

出典:KDDIプレスリリース

KDDIは報道発表で「農業・自動運転・防災・防犯・災害復旧・インフラ点検などIoT・5Gの活用が期待されるさまざまな新規領域で、早期の提供を目指していきます」としている。

■実績重ね、サービスローンチへ 自動運転業界でも需要高い

ちなみに両社による「高度測位情報配信サービス」導入事例として、報道発表では2例が紹介されている。


1例目はドローンを活用した森林資源量調査における活用事例だ。今年2月に無人地帯での「補助者なし目視外飛行」による森林資源量調査が兵庫県で行われ、高精度測位情報配信サービスが活用されている。

2例目は、太陽光発電システム構築における地形データの測量での活用事例だ。栃木県大田原市における太陽光発電システムの構築現場において、KDDIとジェノバは高精度測位情報配信サービスを活用したスマートドローンによる写真測量を実施している。

自動運転において測位の誤差は当然ながら小さい方が良い。そして、交通状況は刻一刻と変わるため、リアルタイム性も常に求められる。両社が実績を積み重ねながら展開する新サービスは、多くの自動運転開発企業にとって注目を得るものとなっていきそうだ。

【参考】関連記事としては「ソフトバンク、自動運転車などに誤差数cmの測位サービスを提供」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事