500m&高解像度の計測!パイオニア子会社、次世代3D-LiDARをCES 2020で 自動運転の目として注目

後付け可能な「LiDAR kit」も

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出典:パイオニアプレスリリース

パイオニアの連結子会社として自動運転関連事業を担うパイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役社長:高木晴彦)=PSSI=は、500mの遠距離計測が可能な「次世代3D-LiDARセンサー」の試作機を、2020年1月7日に米ラスベガスで開幕した世界最大の技術見本市「CES2020」に出品した。

PSSIは、自動運転レベル3(条件付き自動運転)以上に必要だと言われている「3D-LiDAR」をキヤノンと共同開発している。3D-LiDARはレーザーによって対象物との距離や対象物の形を認識し、「車の目」の役割を果たす。

パイオニアはCES 2020で、MEMS(微小電気機械システム)ミラーを用いたスキャン技術とキヤノンの光学技術を用いた量産モデルとともに、この3D-LiDARセンサーの次世代製品を出品した。両社の技術をベースに韓国SKTelecom社の送受信技術を加えることにより、500mと遠距離で、かつ従来のモデルよりも高解像度な計測が可能となるようだ。

2020年に量産開始するモデルにこの次世代型の遠距離モデルが加わり、交通監視用途や路側センサーなどのモニタリング用途、自動運転車両における遠距離計測などの幅広いニーズに対応できるようになるという。

PSSIは、次世代モデルの高性能化や小型化を進め、2021年以降の実用・商用化を目指す。

【参考】関連記事としては「業界人必見!CES 2020で発表された自動運転トピックス10選」も参照。

■3D空間データの収集に役立つ「3D空間データ収集LiDAR kit」も

パイオニアスマートセンシングイノベーションズ社は、乗用車などに後付けできる「3D空間データ収集LiDAR kit」もCES 2020に出品した。このLiDAR kitは乗用車や業務用車両の屋根の上に簡単に後付けでき、複雑な手順を踏むことなく車両の周辺環境を正確に検知し、3D空間データとして収集できるといったものだ。

3D-LiDARセンサーとカメラ、GNSS(全球測位衛星システム)を一体にしたハードウェアと、物体認識や位置推定、差分抽出を行うソフトウェアがセットとなっている。3D空間データは、路面表示や道路の凹凸などを含み、地図データ更新やマーケティング用データ作成などへの活用が可能だという。

同社は2020年秋から販売予定としている。

出典:パイオニアプレスリリース
■存在感抜群のLiDAR、CES 2020で出展目立つ

CES 2020でLiDAR関連の技術・製品を出品している企業は他にもある。例えば京セラはLiDARと画像センサーを一体化して視差とひずみ差を無くすことができる「カメラ-LIDARフュージョンセンサ」を出品している。

LiDAR製造を手掛ける米ベロダイン・ライダーは、最新技術を取り入れた新たなLiDAR製品を発表している。昨今の自動車業界で注目を集めているADAS(先進運転支援システム)に貢献するものだという。

半導体メーカーの米オン・セミコンダクターは短・中・長距離のLiDARアプリケーション用に設計された「SPAD(単一光子アバランシェダイオード)アレイ」を展示している。特徴である高解像度と広い視野は来場者から多くの注目を集めている。

AI(人工知能)やAR・VRなどをはじめ、世界各地から最新技術が集結するCES 2020においても、自動車業界の将来に関わるLiDARの存在感は抜群だ。

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