丸の内仲通りに自動運転モビリティ!試乗人数は500人規模、社会受容性も検証

大丸有協議会とBOLDLYなどが共同で実証実験



出典:BOLDLYプレスリリース

東京・丸の内仲通りにおいて、「⼤⼿町・丸の内・有楽町地区」(大丸有)におけるスマートシティのプロジェクトとして、自動運転モビリティの実証実験が2021年3月8〜14日に行われる。

今回の実証実験は、一般社団法人「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会」(大丸有協議会)とソフトバンク子会社のBOLDLY株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:佐治友基)が共同で実施するものだ。


大丸有協議会が全体を統括し、BOLDLYが⾃動運転モビリティの運⾏や遠隔監視、ルート、⾞両、センサーの設定を担う。

自動運転モビリティを運行するだけではなく、試乗した人に「どのような場⾯において⾃動運転モビリティを利⽤したいと思うか」「歩⾏者と⾄近距離で移動する⾃動運転モビリティに親近感を感じるか」といったアンケートも実施し、社会需要性の検証も行うという。

■往復約700メートルのルートを走行、約500人が試乗予定

大丸有協議会は2020年3月に「大丸有スマートシティビジョン」を策定し、「誰もが快適かつ安全・安心に過ごす」「まちの魅力を連続的に体験して楽しむ」などをコンセプトに、「Smart & Walkable」な道路空間の形成に取り組んでいる。

実証実験では、丸の内仲通りが歩行者専用通行時間帯となる「丸の内仲通りアーバンテラス」の実施時間中に、時速6キロ以下の低速自動運転モビリティとして「NAVYA ARMA」を運行させる。


走行ルートは「丸の内ビルディング前」から「丸の内パークビルディング前」の往復約700メートルで、試乗人数は周辺のワーカー約300人と一般の人約200人の計約500人を想定している。

自動運転モビリティと大丸有地区を巡回する「丸の内シャトル」の位置情報をスマートフォンアプリでリアルタイムに確認できるようにし、快適な移動体験に役立つかどうかも検証するという。

■BOLDLY、世界随一の実績を誇るARMAで実証・実用化を加速

仏NAVYA社が開発した「NAVYA ARMA」は、自動運転シャトルバスとして世界20カ国以上で実用化や実証に用いられ、世界随一の実績を誇る。そして日本ではBOLDLYが、ARMAを活用した実証実験や実用化に積極的に取り組んでいる。

すでに羽田空港近くの複合施設「羽田イノベーションシティ」では定常運行中が始まっており、運行開始から4カ月で累計乗車数は2万人を突破した。2020年12月からは茨城県境町でも定常運行がスタートしている。


これらの定常運行では、BOLDLYが開発する自動運転車両運行プラットフォーム「Dispatcher」が活用されており、自動運転車両の運行状況の遠隔監視や遠隔管理に役立てられている。

【参考】関連記事としては「自動運転シャトル、e-Palette、Origin、ARMAの国内バトル勃発へ」も参照。

■【まとめ】収益化を目指すための実証実験のフェーズに

すでに日本国内では、自動運転車を走らせるだけの実証実験の段階から、社会で受け入れられ収益化を目指すための実証実験の段階に、フェーズが移りつつある。

今回の実証実験でも社会受容性を知るためのアンケートが行われる。大都市での運行では地方都市とは別の課題も見えてくるはずだ。こうした課題を乗り越えて、大都市での自動運転バスの運行スタイルがどのような方向性で確立されていくのか、関心が集まる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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