地域課題解決へ、ローカル5G×自動運転 総務省が決定した実証実験の内容は?

農業や警備などの分野で技術を活用



総務省は2020年10月23日までに、2020年度の「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」における実証内容を決定し、公表した。

ローカル5Gの利用を想定した実証課題は、農業や工場、観光・eスポーツ、医療・ヘルスケアなど多様な分野において19課題あり、自動運転に関連するものも多い。この記事では、ローカル5Gについて触れた上で、自動運転関連の課題をピックアップして紹介していく。







出典:総務省プレスリリース
■ローカル5Gとは

ローカル5Gとは5Gの「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」などの特徴を生かし、自治体や地域の企業が主体となって自らの建物や敷地内などでスポット的にネットワークを構築し、地域課題解決を実現する新システムだ。携帯電話事業者が全国向けに展開する5Gサービスとは別の取り組みとなる。

総務省は2019年12月に一部の周波数の制度整備を実施し、2020年3月に商用ローカル5G無線局免許を初付与した。免許の申請数は増加しつつある。今後、さらなるローカル5Gの普及に向け、2020年8月に創設された5G投資促進税制の活用を促進し、2020年内にはローカル5Gの使用周波数を拡充するという。

■自動運転関連の実証課題例
自動トラクターなどの農機の遠隔監視制御による自動運転などの実現

農業従事者の高齢化や新規就農者の減少により、労働力不足や技術継承の危機、収益力の低下などが課題となっている北海道岩見沢市。実証では自動運転レベル3の複数台の自動運転トラクターなどを遠隔監視制御し、センサーから生育データなども収集する。請負者は東日本電信電話だ。

農業ロボットによる農作業の自動化の実現

鹿児島県志布志市でも岩見沢市と同じ課題を抱えている。請負者である関西ブロードバンドは農機ロボットに搭載した高精細カメラの画像を使い、自動運転レベル3の技術で農機ロボットを遠隔制御し農作業を自動化する。

自動運転車両の安全確保支援の仕組みの実現

群馬県前橋市では地域住民の移動手段確保やドライバーの負担軽減などの課題に向け、市内の公道で市民を乗せた自動運転バスの実証実証などを行う。車両搭載のカメラや路側カメラの映像を用いて自動運転の継続可否の判断に役立てる取り組みも含む。請負者は一般社団法人ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構だ。

遠隔巡回・遠隔監視などによる警備力向上に資する新たなモデルの構築

東京都大田区の京急電鉄羽田空港第3ターミナル駅においては、人員不足に対応するために自動巡回ロボットを活用し、巡回や監視など警備業務の高度化を図る。自動巡回ロボットの4K高精細映像などを用いた「遠隔巡回」や、AI画像解析により不審者や歩行弱者などを早期に発見する「遠隔監視」などにも取り組む。請負者は綜合警備保障。

■【まとめ】ローカル5Gと自動運転技術で地域課題の解決へ

自動運転において「通信」は重要な要素の1つだ。ローカル5Gの利用を想定した実証実験が進むことで、通信に関する課題解決やユースケースの拡大につながることに期待したい。

【参考】関連記事としては「自動運転と「6G」、進化はさらに」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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