京都でMaaSアプリコンテスト!混雑回避する観光案内アプリなどに最優秀賞

アイデアを出しあい交通課題解決



出典:KYOTO楽Mobiコンテスト・お知らせ

京都市では公共交通の利便性向上や利用促進を図る観点から、MaaSの研究・検討に着手している。こうした中で、交通環境情報を用いて京都の課題を解決する提案を募集する「KYOTO楽Mobiコンテスト」を実施し、2020年11月24日までに最優秀賞が発表された。

このコンテストは具体的には、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)の第2期自動運転で提供する情報をもとに、京都の交通課題を解決するためのアプリケーションやアイデアを募集していたものだ。


ここで言う京都の「交通課題」とは、観光動線と生活動線の混在や一部のエリアへの観光客の集中、交通機関や車内への大きな手荷物の持ち込み、混雑や遅延など実態に即した情報提供の不足、さらに新型コロナウイルスの影響などのことを指す。

コンテストでは「アプリ開発部門」と「アプリアイデア部門」の2部門で提案を募集した。

■アプリ開発部門最優秀賞「(仮)京都観光アシスト」

アプリ開発部門の最優秀賞(歩くまち・京都賞)を受賞したのは、松岡輝樹氏が開発した「(仮)京都観光アシスト」というアプリだ。出発地点と出発時刻、周遊する観光スポット、滞在時間を入力すると、バスや電車の乗り換え時刻と歩行ルートが表示されるアプリだ。

「お勧めルート」から観光計画も作成可能であるほか、観光ルートやアクセス時間を制御することで、観光客の集中も解消できるという。


このアプリには改良・改善費用として上限100万円の支援をし、交通環境情報の利用実績報告などの業務委託を半年間ほど行うという。

出典:KYOTO楽Mobiコンテスト・お知らせ
■アプリアイデア部門最優秀賞「手ぶらで歩きたくなるアプリ-Teburan-」

アプリアイデア部門の最優秀賞(SIP自動運転賞)を受賞したのは、東京都立産業技術大学院大学の武蔵恵理子氏と河西大介氏、株式会社NTTデータフロンティアの畑中倫也氏の「手ぶらで歩きたくなるアプリ-Teburan-」というアプリだ。

手荷物を預けるサービスを軸に、観光資源の位置情報と混雑統計データから「隠れた観光スポット」をすすめ、人気観光スポットの混雑緩和と新たな観光資源の発見を促進する。観光客だけではなく、地元住民もユーザーおよびサポーターとして利用することが可能だという。

出典:KYOTO楽Mobiコンテスト・お知らせ
■アイデアを出しあい交通課題を解決

表彰式では、最優秀賞を受賞したコンテスト参加者を交えてパネルディスカッションを開催し、ポストコロナにおける新たな観光・交通の課題の探索とその解決に向けたデータ活用の在り方について議論も行われた。


日本を代表する観光都市・京都では、地域住民と観光客の円滑な移動に関する課題の解決が求められてきた。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大により観光や交通に関する状況は大きく様変わりしている。

こうした状況においては、交通課題の解決に向け、まずさまざまなアイデアをまず議論のテーブルにあげることが重要だ。こうした観点からも今回のコンテストは意義のあるものだと言え、貴重な機会になったのではないだろうか。


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