「空飛ぶクルマ」の実現に向け、世界の各社が競うように技術開発に取り組んでいる。各国政府も実現に向けたロードマップを策定し、実証実験のための規制緩和や実用化に向けた法整備の準備をスタートさせている。
空飛ぶクルマの実現には機体の開発や法整備はもちろん必要になるが、ほかにも重要なものがある。それが「空の通信環境」の整備だ。そしてこうした空の通信環境の整備に取り組んでいる企業がある。日本のHAPSモバイル社だ。
■HAPSモバイルとは?
HAPSモバイル社はソフトバンクと米AeroVironmentによって2017年12月に設立された合弁会社だ。社名にも使われているHAPSは「成層圏滞在型航空機器」などという意味に訳され、いわゆる「空飛ぶ基地局」のことを指す。
同社はこの空飛ぶ基地局を整備することで、空飛ぶクルマなどが安全に自律飛行できるようにすることを目指しているようだ。ソフトバンクのオウンドメディア「Future Stride」における「2023年、空飛ぶ携帯基地局「HAPS」実現へ 空からの通信サービスで、世界はどう変わるのか」という記事でも、こうした点に触れられている。
国のロードマップにおいては空飛ぶクルマの事業化は2023年ごろから徐々に始まっていく計画となっており、そう考えるとあまり時間がない。空飛ぶクルマといえばついつい機体の開発に注目が向きがちだが、同じくらい空の通信環境の整備も重要なテーマであると言える。
■ソフトバンクが一歩抜きんでるか
ソフトバンクは自動運転車やトラックの隊列走行のための通信実証にも積極的で、「陸と空」の両方で次世代交通を支えていく考えであるはずだ。日本にも通信会社が複数あるが、ソフトバンクが一歩抜きんでる存在となるか、注目だ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。