自動運転における「フォールバック(fallback)」とは、自動運転から運転の権限が運転者に委譲されるまでの間、自動運転システムの機能を制限した状態で稼働させることを指す。
国土交通省自動車局が2018年9月に公表した「自動運転車の安全技術ガイドライン」の中でも、「自動運転車の安全性に関する要件」における「(2)自動運転システムの安全性(P4〜5)」において触れられている。
具体的には、想定されたODD(運転設計領域)内で緊急時以外はシステムが運転操作を担う「自動運転レベル3」において、フォールバックによって安全に運転を継続させる必要があることを明記している。
このフォールバックという概念は自動運転以外でも従来より使われている。例えば通信システムの場合は、新しい通信方式が使えなくなった場合に別な旧式の通信システムに切り替える、といった具合だ。
ちなみに、フォールバックを経て運転が人間に引き継がれない場合に車両を安全に自動で停止させる「ミニマル・リスク・マヌーバー(MRM)」の設定も、自動運転レベル3の車両には求められる。
【参考】関連記事としては「自動運転における「ミニマル・リスク・マヌーバー(MRM)」とは?」も参照。