大和ハウス工業株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:芳井敬一)など5社は2021年9月24日までに、自動運転フォークリフトとトラック運行を連携させる共同実証事業が、経済産業省の公募事業に採択されたと発表した。
採択されたのは、経済産業省資源エネルギー庁の公募事業である2021年度の「AI・IoT 等を活用した更なる輸送効率化推進事業」。大和ハウスが代表申請者で、ほかの4企業はイオングローバルSCMと花王、日立物流、豊田自動織機となっている。
報道発表によれば、AI(人工知能)を搭載した自動運転フォークリフトを活用し、物流施設でトラック運行と連携させることで、荷役や物流の効率化や省エネ化に取り組むという。
■「AI・IoT 等を活用した更なる輸送効率化推進事業」とは?
「AI・IoT 等を活用した更なる輸送効率化推進事業」は以下の3つの事業で構成され、大和ハウス工業などによる実証事業は「新技術を用いたサプライチェーン全体の輸送効率化推進事業」での採択となり、事業補助金の交付が決まった。補助金額は5,747万2,850円。
- 新技術を用いたサプライチェーン全体の輸送効率化推進事業
- トラック輸送の省エネ化推進事業
- ビッグデータを活用した効率的かつ適切な自動車整備による使用過程車の省エネ性能維持推進事業
■まずトラックの積卸し自動化技術の確立を目指す
今回の共同事業は2021年9月から実証実験を開始し、2024年3月まで続ける。
実証のポイントは3つで、1つ目は自動運転フォークリフトを用いた物流施設の「入荷」と「出荷」の自動化、2つ目はサプライチェーン全体の効率化を実現するための事業者間のデータ連携、3つ目は発着荷主間でのトラックの待ち時間短縮による効率化、エネルギー削減となっている。
2021年度はトラックの積卸し自動化技術の確立を目指す。2022年度は車体と荷台が分離でき、分離中に荷役作業ができる「スワップボディコンテナ」を活用し、共通システムとの連携や積卸しを実施する。
さらに荷積みや荷卸しができるロボットを投入してAI搭載の自動運転フォークリフトの自動化範囲も広げていく。そして2023年度にはAI搭載の自動運転フォークリフトの実用化に向けて実証や検討を進めるという。
■5社の取り組みで課題の解決を後押し
トラックドライバーやフォークリフト運転者の不足や、物流施設内においていまだに人手作業が多く行われているという課題を解決するためには、より一層の効率化・省人化が求められる。5社による取り組みがこうした課題の解決を後押しすることが期待される。
▼令和3年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金(新技術を用いたサプライチェーン全体の輸送効率化推進事業)」に係る補助事業者の1次公募の結果について
https://www.pacific-hojo.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/09/03supply_koufu_210917.pdf
【参考】関連記事としては「フォークリフト、自動運転技術で進化!無人搬送車(AGV)が現場を変革」も参照。