国の「自動走行ビジネス検討会」、どんな人・企業が参加してる?

委員名簿やオブザーバー企業を紹介

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自動運転サービスの新たなロードマップを2020年5月20日に公表し、注目されている「自動走行ビジネス検討会」。国の自動運転行政にも大きな影響を持つこの検討会は、どのような組織でどのような人・企業で構成されているのだろうか。2020年3月時点の資料を基に、解説していこう。

■「自動走行ビジネス検討会」とはどんな組織?

「自動走行ビジネス検討会」は、2015年2月に経済産業省製造産業局長と国土交通省自動車局長主催で設置された。自動車メーカーやサプライヤー、有識者らが参加し、産学官連携で自動走行のビジネス化を推進している。

現在は「非公式フォローアップ会合」「安全性評価環境づくりWG」「人材戦略WG」「将来課題検討WG」の下部組織があり、検討会の座長は東京大学大学院の鎌田実教授(新領域創成科学研究科)が務めている。

取り組みとしては、自動運転などの将来像を明確化し、協調領域の特定や国際的なルールづくり、産学連携の促進に向けた議論を進めており、2017年3月に「自動走行の実現に向けた取組方針」を発表後、今年5月までに報告書のVersion4.0を発表している。

▼「自動走行の実現に向けた取組報告と方針」報告書概要Version4.0
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jido_soko/pdf/20200512_02.pdf

■検討会の委員を務めるのはどんな人?

自動走行ビジネス検討会には民間企業や大学、民間組織などから、自動運転技術や最新事情に詳しい人などが参加している。

自動車メーカーからは、自動運転EV「e-Palette」の開発にも力を入れるトヨタから鯉渕健氏(先進安全領域・統括部長)が、自動運転タクシーの実証実験にも取り組んでいる日産から中畔邦雄氏(執行役副社長)が、2020年中に自動運転レベル3の車両の発売を目指すホンダから三部敏宏氏(本田技術研究所・代表取締役社長)などが参加している。

そのほかの民間企業からは、車載エレクトロニクス関連事業などを展開するパナソニック株式会社オートモーティブ社から小川立夫氏(副社長)、関連技術の開発などに取り組む日立オートモティブシステムズ社から山足公也氏(エグゼクティブオフィサーCTO)などが参加している。

大学の研究者なども委員として活躍しており、東京大学の須田義大教授(生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター)や、自動運転関連の研究に力を入れる名古屋大学の高田広章教授(未来社会想像機構)などが参加している。

以下が委員全員の名簿だ(敬称略/五十音順)。

■オブザーバー企業は?

オブザーバーには、ソフトバンク子会社で自動運転関連事業を手掛けるBOLDLY(旧:SBドライブ)や自動運転ベンチャーのZMP、オープンソースの自動運転OSを開発するティアフォーなどが名を連ねている。

ちなみにこの検討会の関係省庁・組織としては、内閣府SIPや内閣官房IT総合戦略室、警察庁交通局、国土交通省道路局が挙げられる。

■【まとめ】2020年度も取り組みを推進

自動走行ビジネス検討会は、2020年度は2019年度に取りまとめたロードマップをフォローアップし、国民に対して自動運転サービスが受け入れられるよう、価値を説明していくことに力を入れる。

また同時に実証事業の達成状況を評価して今後の展開を検討するとともに、安全性評価手法を着実に整備した上で国際標準化を図り、スキル標準を活用した人材確保と育成、協調領域などの取り組みを推進していくという。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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