自動運転領域で研究職になるなら「JREC-IN Portal」!どんな案件がある?

研究者向け求人情報サイト、年収1000万円級も





JREC-IN Portalの求人検索ページ

文部科学省所管の国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する研究者向けのポータルサイト「JREC-IN Portal」をご存じだろうか。研究者を対象としたキャリア支援ポータルサイトで、研究者向け求人情報サイトとしての機能などを有している。

このJREC-IN Portalに登録されている求人情報の中に、自動運転関連の案件が最近目立つようになってきた。今回はJREC-IN Portalを紹介するとともに、どのような案件があるのか調べてみた。







■JREC-IN Portalとは?

JREC-IN Portal(旧JREC-IN)は、研究者・研究支援者・技術者など研究人材のキャリア形成・能力開発を情報面から支援する研究人材のためのポータルサイト。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営しており、研究に関する職を希望する求職者の情報と、産学官の研究・教育に関する求人公募情報をそれぞれ収集・データベース化し、求職者と求人機関の双方がそれぞれのニーズに応じた内容を検索・閲覧することができる。

ユーザー登録すると、求人公募情報の掲載・閲覧・Web応募をはじめ、求職者照会メール、履歴書・業績リスト作成機能、マッチングメールなど求人求職活動を支援するサービスなどを利用できるほか、キャリア形成・能力開発に役立つe-learningを利用することができる。

e-learningは、研究者や研究支援者、技術者など研究人材のキャリア形成・能力開発に役立つさまざまな分野の教材がある。基礎的技術や知識についてナレーション付きアニメーションで学習することができ、コースごとに修了通知が発行される。

求人件数は、2019年3月6日時点で2577件が登録されており、「自動運転」でキーワード検索すると12件が該当する。以下、この12件の中からいくつかをピックアップし紹介する。

【参考】「JREC-IN Portal」のサイト内求人検索ページは「こちら」。

■掲載されているのはこんな求人!(2019年3月5日時点)

神奈川工科大学創造工学部自動車システム開発工学科:ポスドク研究員の募集(仮想環境での自動運転評価開発)

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期の自動運転(システムとサービスの拡張)において、同大が中心となって受託している「仮想空間での自動走行評価環境整備手法の開発」に関する業務を行うポスドク(博士研究員)・研究員を募集している。

具体的には、自動運転システムに関して、走行環境、センサー、システム、車両が仮想環境上で動作するためのアルゴリズムの検討、ソフトウェア開発、プラットフォーム構築、性能検証を実施する。

応募資格はC/C++言語、Pythonなどによるソフトウエア開発が可能で、レーダーやLIDAR(ライダー)、画像処理、ロボット、自動運転などに関する研究経験者が望ましい。勤務地は同大。賃金は月額30万~50万円以内で、職務経験や能力に応じて決定する。募集期間は2019年3月11日まで。

群馬大学研究・産学連携推進機構:共同研究講座教員(准教授,講師又は助教)の募集

次世代自動車産業振興に資する産学官金連携イノベーションの拠点形成を目指し、次世代モビリティシステムの社会実装研究や開発、高度人材育成などを手掛ける次世代モビリティ社会実装研究センターで、自動運転関連技術の研究・開発や次世代モビリティ車両・システム関連施設・設備を使用した実験の計画及び遂行、実験結果の解析及び評価、学生への教育・指導などを行う人材を募集している。

応募資格は、運転免許と修士の学位を有し、次世代モビリティの社会実装研究に意欲があり、車両の運転・運用に対する適性能力を持つ者。勤務地は同大で、給与は同大非常勤教職員就業規則に基づき職務経験などにより決定する。募集期間は2019年3月7日まで。

【参考】群馬大学の取り組みについては「産学連携で「レベル2」達成 群馬大、自動運転バス開発の成功発表」も参照。

東京農工大学工学府機械システム工学専攻:スマートモビリティ研究拠点における特任助教、及び産官学連携研究員の募集

特任助教は、スマートモビリティ研究拠点において、知能化自動車の研究開発プロジェクトを行う特任助教を募集しており、プロジェクト遂行に向け、高度運転支援システムと自動運転の制御アルゴリズムの研究課題について取り組む。

また、産官学連携研究員は、研究プロジェクトにおいてカメラやミリ波、レーザレーダーを用いた環境認識、先読み自動運転の設計と実車による評価を行う。

応募資格は、博士の学位を有するか取得見込み、または企業などで同等の業績のある人で、専門分野で優れた研究業績を持つ人。特に、画像処理や情報工学、メカトロニクス、制御工学、ロボティクスの関連分野を専門とし、自動運転技術や知能化モビリティの運動制御に興味を持ち、研究開発が実施できる人が望ましい。

勤務地は同大で、給与は同大非常勤職員給与規定による。募集期間は産官学連携研究員が2019年3月7日、特任助教が3月8日までとなっている。

豊田工業大学スマートビークル研究センター:ポストドクトラル研究員の募集

自動運転の研究開発において、自動運転や知能ロボットのための統合的環境認識とそのプログラム化、GPUを含むソフトウェア開発やミリ波レーダーなどの環境認識センサ応用に取り組む。

応募資格は博士号取得者(着任時までに取得見込み可)で、勤務地は同大。給与は月額35万円。募集期間は2019年3月31日まで。

三菱電機先端技術総合研究所:地理情報通信システムの研究開発など3件を募集

1件目の地理情報通信システムの研究開発では、地図情報などの通信を活用した運転支援・自動運転システムの組込SW設計及び実装に取り組む。具体的には、カーナビやロケーター(地図上で位置を推測)からのデータ(衛星、車のセンサー)を使い、アウトプットを出すためのアルゴリズム・ロジックの開発を三田製作所とともに行う。基礎研究もあるが、まずは2~3年後の製品開発を行うことを想定している。

応募資格は、位置を推定するソフトウェアの開発経験者で、C/C++言語やカーナビなどの車載ソフトウェアの開発、移動体、ロボットの位置観測における経験があると望ましい。

2件目の自動運転技術・運転支援技術の開発では、車載モーターの制御、自動運転・予防安全技術の研究開発に取り組む。具体的には、自動運転、予防安全分野の領域の中でも車載モーター、パワーステアリングなど駆動系の制御開発の先行開発に従事し、次世代の自立運転に使用される高度な車両運動制御技術の開発に携わる。同社が保有するテストコースを使い、実際に車両走行試験なども実施する。

応募資格は、駆動系製品の制御に関する研究を行っている修士号以上の学位取得者で、移動体(自動車、自動二輪、農機、建機など)の駆動系製品(モーターなど)の制御経験3年以上、またプロジェクト管理だけではなく、実際に制御開発の経験がある人を求めている。

3件目の電子デバイスの物理解析に関する研究開発では、IoTや自動運転、AI(人工知能)、ロボットなどの技術進化に伴い、半導体・電子デバイスの品質を支える分析・解析技術者への要求が高まっているため、新たに人材を募集することとしている。

業務内容は、透過型電子顕微鏡(TEM)や表面分析装置などを用いて、デバイスや電子部品の良品解析・不具合解析技術の確立や、パワーデバイスや高周波デバイスの開発加速、放射光利用分析やその他の分析・解析技術自体を高度化する基礎的研究開発などに取り組む。

応募資格は、電子デバイスの物理解析の経験があり、修士以上の学位取得者で、半導体デバイス、固体物理学に関する知識、特に結晶・X線回折に関する知識を有する人を求めている。

いずれも勤務地は兵庫県で、給与は23万円以上。想定年収は経験などにより400万~1000万円が可能だ。募集期間は2019年3月31日まで。

【参考】三菱電機の取り組みについては「三菱電機、濃霧・豪雨に強い自動運転向けセンシング技術を開発」も参照。

■売り手市場続く自動運転分野 高待遇を望むなら……

このほかにも、コネクテッドカーのための自律協調型分散情報処理基盤の開発(国立研究開発法人情報通信研究機構)など、キーワード次第でさまざまな募集案件が検索される。

自動運転関連の求人数が増加の一途をたどる中、民間をはじめ大学などの研究機関ともども技術者や研究者が不足しており、売り手市場の傾向はまだまだ続きそうだ。

もちろん、売り手市場だからと慢心していては高望みできない。求人の多くはスキルとともに意欲を求めている。自動運転分野未経験者可であっても、自動運転に関する予備知識がある者とない者では当然評価が異なる。

来たる日に向け、知識や技術をブラッシュアップするとともに、業界に関する知識もしっかり身につけておこう。

【参考】自動運転関連の求人については「自動運転関連求人、「未経験者歓迎」が増加 2019年1月は3.8%増の1万1065件」も参照。







関連記事