自動運転——。有望な事業領域として注目を集めつつあるが、まだ馴染みが薄い人も多いはずだ。そんな人が自動運転について理解を深めるには、関連情報についてイラスト化された資料などが役に立つ。
この記事では国などが作成したイラストや図解が掲載されている資料を紹介しよう。
記事の目次
■自動運転レベルについて
▼資料URL
https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf
自動運転レベルは一般的には0〜5の6段階で示され、レベルが上がっていくごとに「完全自動運転」に近づいていく。
レベル1は「運転支援」と呼ばれる。自動ブレーキや車線維持機能などがレベル1の技術に当たる。レベル2は「部分運転自動化」と呼ばれ、レベル1の機能が複合的に作動する段階を指すほか、「高速道路で遅い車を自動で追い越す」といった特定条件下での自動運転もレベル2に当たる。
レベル3は「条件付き運転自動化」と呼ばれる。あらかじめ自動運転システムの稼働要件を満たしたときに自動運転システムを作動することができるが、要件を満たさないエリアや緊急時などは人が運転操作を代わる必要がある。
レベル4は特定条件下における完全な自動運転、レベル5はどんな場所であっても完全な自動運転が可能となる段階を指す。
【参考】自動運転レベルの定義については「自動運転レベル0〜5まで、6段階の技術到達度をまとめて解説」も参照。
■自動バレーパーキングについて
▼資料URL
https://www.mlit.go.jp/common/001279905.pdf
「自動バレーパーキングシステム」は、自動運転技術などによって駐車が無人化される仕組みだ。駐車場という限定エリアにおけるシステムなので、公道などよりも導入のハードルが低い。独ボッシュなどは既に自動バレーパーキングの実用化実績がある。
【参考】関連記事としては「自動バレーパーキングとは? 自動運転技術を活用 開発企業は?」も参照。
■自動運転のある近未来の予想図
▼資料URL
https://www.mlit.go.jp/common/001110990.pdf
自動運転社会が実現した際のイメージ予想図だ。「緊急車両の優先走行を確実化」の部分では、「救急や消防、警察など緊急車両が走る場合は信号制御によって優先される他、工事エリアや渋滞を考慮した経路の最適化も行われる」と記述されている。
「高密度の駐車」では、「自動制御によって正確で高密度の駐車ができ、都心の狭い土地でも有効に活用できる」というメリットが記述されている。
【参考】関連記事としては「都市部の配送、車を遠くに停め自動運転ロボが配達 こんな未来も」も参照。
■自動運転技術のうれしさマップ
▼資料URL
https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-minsei/minsei-dai4/siryou1-2.pdf
自動運転化の社会になって享受される「うれしさ」を示すイラストだ。4分割に分けられたテーマはそれぞれ「快適」「環境」「安全」「利便」となっており、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が定義した自動運転レベルが上がるごとに、どのような「うれしさ」があるか解説されている。
例えば、「快適」のレベル2では車線の維持や加減速が自動制御されることによる快適さ、レベル4では自動運転での運転代行が実現することが挙げられている。「環境」では、レベル3になると渋滞の緩和による二酸化炭素の削減など期待されるという。
「利便」のレベル3では自動バレーパーキングや物流の効率化、レベル4では無人送迎などが挙げられている。「安全」ではレベル1で車線の逸脱防止支援や横滑り防止、レベル3〜4ではどんな運転でも事故が起きない「ぶつからない車」で安全性が担保できることを示している。
【参考】関連記事としては「【資料解説】「2040年、道路の景色が変わる」国交省ビジョン案、自動運転やMaaSも」も参照。
■2025年完全自動運転を見据えた市場化・サービス実現のシナリオ
▼資料URL
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou9.pdf
官民ITS構想・ロードマップ2019において、2025年までに完全自動運転を確立させるためのシナリオが図解されている。「自家用車」「物流サービス」「移動サービス」において、「2020年まで「2020年代前半」「2025年目途」におけるそれぞれの到達目標などが示されている。
■【まとめ】自動運転が確立した社会を頭に浮かべながら
国などが作成している自動運転に関する資料は多々あり、イラストや図解などを見ながら自動運転が確立した社会を頭に浮かべていくと、理解も深まりやすいだろう。
自動運転ラボは「資料解説」というタグで、国が作成した資料などの解説記事を公開していますので、ご参考までに同タグの記事一覧URL「https://jidounten-lab.com/tag/資料解説」も共有しておきます。
【参考】関連記事としては「自動運転、ゼロから分かる4万字まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)