自動運転社会が実現すれば、確実に事故は減るはずだ。ヒューマンエラーによる事故や飲酒運転が無くなるからだ。しかし、自動運転社会の到来にはまだ時間がかかる。その間、痛ましい事故はなくならない。
しかしそんな中、自動運転技術とは別なアプローチで事故を減らそうと努力している企業がある。アルコールインターロック装置を開発する東海電子株式会社(本社:静岡県富士市/代表取締役:杉本哲也)だ。
■アルコールインターロック装置「ALC-ZERO」
東海電子が開発した車載型アルコール検知器シリーズ「ALC-ZERO」は、アルコールを検知するとエンジンがかからなくなる装置だ。
使い方は非常にシンプル。まずはALC-ZEROの専用マウスピースを機器に取り付け、電源を入れる。その後、装置に息を吹きかけると「ピピッ」と音が鳴り、結果が表示される。この間わずか4秒だ。
アルコールが検知されなければ「エンジンをかけてください」と音声ガイドが流れ、アルコールが検知されると「エンジンをかけることができません」と音声ガイドが流れる。
■「なりすまし対策」もバッチリ
飲酒運転を未然に防ぐことができるALC-ZEROだが、なりすまし対策や緊急時の対応はどうなっているのだろうか。
なりすまし対策はカメラを標準装備した「ALC-ZEROⅡ」が対応している。測定時に顔写真を撮影し、また運転中の顔写真をランダムなタイミングで撮影することで、なりすましを防止できる。撮影した写真はSDカードに保存されるという。
ただし、エンジン起動時に毎回アルコール測定をしていたら仕事の効率が落ちてしまうのでは、と感じる人もいるかもしれない。しかしこうした問題を解消するために、「フリータイマー機能」がある。
フリータイマー機能は、管理者が指定した時間内であれば、測定なしでエンジンを起動することができる機能で、頻繁に荷物の積み下ろしを行う宅配業者など向けの機能と言える。
■さまざまなアプローチで事故を防止
交通事故をなくすアプローチは自動運転だけではない。東海電子の検査機器も事故の未然防止に役立つ。東海電子の今後の取り組みに、引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「ウーバー、スマホの持ち方で飲酒運転判別 ライドシェア業界動向」も参照。