
トヨタが子ども向けの自動運転車「TOYOTA Kids mobi」の開発を進めている。10年後の未来を見据えたパーソナルモビリティで、「ともだち」として子どもの成長を促すUXを提供するという。
おそらく、キッズ専用自動運転車の明確なコンセプトモデルは世界初と思われる。10年後、こうしたパーソナルモビリティが世の中を走り回る時代が来るのだろうか。トヨタの最新の取り組みに迫る。
記事の目次
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■TOYOTA Kids mobiの概要
キッズ専用の自動運転車が初登場
トヨタはジャパンモビリティショー2025において、「TO YOU」をテーマに「COROLLA CONCEPT」「IMV Origin」「KAYOIBAKO」「boost me」「TOYOTA Kids mobi」などのモビリティを出展した。
みんなのためのクルマである「COROLLA CONCEPT」、アフリカの農村に住む人々を思い描いて創り出した「IMV Origin」、お客様のもとにサービスを届ける社会インフラ・モビリティの「KAYOIBAKO」、すべての人が同じ土俵でスポーツに挑戦できるスポーツモビリティの「boost me」、そしてキッズ専用の安心・安全 AIパーソナルモビリティ「TOYOTA Kids mobi」だ。
トヨタはTOYOTA Kids mobiを、「ともだち」として子どもの成長を促すUXを提供するモビリティであり、AIガーディアン×自動運転の究極のゴールの一つとして位置付けているようだ。
大人は乗り込めないサイズの小さくキュートなパーソナルモビリティで、液晶ディスプレイ化された前面がパカッと上に開いて搭乗する。車内には特に装置の類は見当たらず、ゆったりとした座席と、手を添えるセンサーのような球型の何かが二つ備わっているだけのように見える。
トヨタの担当者によると、子どもと生き物のように触れ合ってコミュニケーションをとり、一緒に経験して一緒に成長していくようなモビリティという。中に入って「どこどこに行きたい」などと会話して、子どもの自由な移動を実現する。「AIと自動運転の技術で、子どもの世界を広げてあげたい」そうだ。
ジャパンモビリティショー2025のプログラムの一つに10年後の未来を創造した「Tokyo Future Tour 2035」があり、これと連動しているのかは不明だが、TOYOTA Kids mobiの紹介動画でも「10年後の未来」と謳われている。
トヨタが描く10年後の未来には、こうしたキッズ向けの自動運転モビリティが実現しているようだ。
来場者の反応は上々
ジャパンモビリティショー2025には「Kids mobi photo spot」も用意され、実際に乗り込んで記念撮影ができる。試乗対象は身長130センチ以下で、「未来の相棒と写真を撮ろう!子供だってクルマを運転したい!子供だって一人の時間もほしい!子供だって自由に移動したい!子供だって、大人のクルマのような相棒が欲しい」――といったメッセージが添えられている。
X上には、ジャパンモビリティショー2025来場者の反応がさっそく広がっている。
・モビショーマジで面白かったなぁ 個人的に刺さったのはトヨタの「kids mobi」ていう子供が乗れるモビリティ めっちゃ可愛くてキーホルダーも貰いました笑 来年もぜひ行きたい!
https://x.com/SUNRISET087/status/1985332714158133257
・新しいセンチュリーすごい。なんかすごくよい香りがする 打って変わってKids mobi、フォルムが愛くるしく、表情もくるくる変わるのがひたすらにかわゆい
https://x.com/patrol_h_kansai/status/1984811569923183045
・トヨタ Kids mobiとmeシリーズ。Kids mobiは丸っこくて生き物っぽくてとっても良い。meシリーズは立って乗るboost me、ゴツイタイヤの車椅子のchallenge me、四脚のwalk meがある。四脚がガショガショ実際にひとりで歩き回っててインパクトある。
https://x.com/amt00/status/1987028692892295316
・久々のモビリティショー楽しかったです。kids mobi に試乗できるキッズが羨ましくて泣きました。私にも乗らせてください
https://x.com/hasu_mochi/status/1985209016864432365
・TOYOTAブースにいたKids mobiすーごく可愛かった!子ども用の安全安心AIモビリティー。体験もあったのでお子さん連れの方ぜひ この車に乗ってる子どもめちゃくちゃ可愛いんよ~~
https://x.com/__rrcy__/status/1984602118893027434
・トヨタ Kids MOBI なかなか面白いなー 子供が乗るモビリティ ちょっとロボットのコックピットみたいなのも良い感じ、操作レバーがアームレイカーぽい感じとか、目が合って表情がある感じとかは、ガラットを思い出しましたw とはいえ現実としては危なすぎて実現出来ない乗り物ですけどねーw
https://x.com/casta111/status/1984258042716954940
子どもの実際の反応はわからないが、楽しい雰囲気は伝わってくる。保護者をはじめとした大人の反応も上々なようだ。
キッズ専用自動運転車は世界初?
キッズ専用の自動運転車は、開発事業者にとっても意外と盲点だったのかもしれない。少し調べてみたが、こうしたモビリティに関するコンセプトモデルは出てこなかった。
自動運転技術は、これまで人間が行ってきた車両の操作・制御をすべてコンピュータが代替するドライバーレス技術で、職業ドライバー不足が慢性化するトラックやタクシー、バスなどへの導入が期待されるが、利用者目線では「誰もが安全に自由に移動できる」という点が大きなポイントとなる。
自動運転技術によって安価な路線バスやタクシーサービスが充実すれば、自家用車がなくても不自由のない移動が可能になる。免許を返納した高齢者や障がい者、子どもも自由な移動が可能になるのだ。
今回のトヨタの展示は、他のモビリティ含めこの「誰もが安全に自由に移動できる」未来をはっきりと映し出した印象が強い。「子ども」にしっかりと焦点を当て、自由な移動を実現するとともに、モビリティの付加価値として「ともだち」のような機能を備えた自動運転モビリティを開発したのだ。
10年後、TOYOTA Kids mobiが実際に製品化されるかどうかは不明だが、自由な移動の確保や見守り機能、コミュニケーション機能など、さまざまな観点からモビリティの可能性を追求していく好ソリューションとなりそうだ。
トヨタが「AIガーディアン×自動運転の究極のゴールのひとつ」と言うように、自動運転のポテンシャルを広げる上でも大きな意味を持つ。
運転免許を持たない人も移動可能にする自動運転技術は、これまでタクシーや自家用車、車いすなど既存モビリティをベースとしているものが多くを占めていたが、目的・対象を絞った新たなパーソナルモビリティが登場することにより、その可能性を大きく拡大していくこととなる。
その意味で、トヨタの子ども向け自動運転車がどのような未来を辿るか注目が集まるところだ。実際に自動運転技術やコミュニケーション機能などが実証可能な領域に達すれば、Woven Cityに導入される可能性も考えられる。今後のさらなる取り組みに期待したい。
■自動運転パーソナルモビリティの動向
自動運転パーソナルモビリティは実用化が進展中

誰もが気軽に利用できるパーソナルモビリティの開発・実用化は大きく進展しているが、自動運転機能を備えたモビリティも一部登場している。
電動車椅子を主力に近距離モビリティ製品の開発を手掛けるWHILLは、自動運転や衝突回避機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」を製品化し、空港や病院などへの導入を促進している。
ロボットタイプモビリティの国内パイオニア的存在のROBO-HI(旧称ZMP)は、自動運転 機能を搭載した歩行速モビリティ「RakuRo(ラクロ)」を製品化している。目的地を専用アプリで選択するだけで、利用者は周囲や速度を気にすることなく移動を楽しむことができる。ロボットデリバリー協会の「安全基準適合審査」を受けており、公道(歩道)を走行することができる。
NTTコミュニケーションズは2023年、自律走行パーソナルモビリティの実証を開始した。アイシン提供のパーソナルモビリティILY-Aiと千葉大学が製作したCranberryを用い、自律走行パーソナルモビリティを人の移動手段や荷物の運搬手段として活用する実証などを行っている。
AZAPAエンジニアリングも富山大学と共同で小型の低速自動運転モビリティの開発を開始したことを2020年に発表している。
【参考】関連記事「ZMP、1人乗り自動運転ロボのサブスクスタートへ!月額1万円で」も参照。
【参考】関連記事「日本のある島で「自動運転スクーター」の実証が実施されてた」も参照。
■ジャパンモビリティショー2025×トヨタ
KAYOIBAKOの最新バージョンやmeシリーズも登場
ジャパンモビリティショー2025にトヨタが出展したその他のモビリティでは、「IMV Origin」「KAYOIBAKO」「boost me」なども興味深い。
IMV Originは、誰でも組みたて・修理可能なシンプルな構造が特徴だ。あえて未完成のまま工場を出荷することで、利用者が使用目的に応じて好きなようにカスタマイズできるようにしている。トヨタは土台となる部分のみを作り、その先は利用者がモビリティを完成させるのだ。
人を乗せたりモノを運んだり、目的に応じてさまざまな用途に使用可能にすることで、現地に仕事を生み、成長し続ける仕組みを創るとしている。
KAYOIBAKOは、ジャパンモビリティショー2023で初お披露目されたコンセプトモデルで、「好きなときに・好きな場所で・好きなことができるモビリティの未来」をイメージしている。
一見した印象ではミニバンの新しい形のように思えるが、無駄のない適切なボディサイズで、箱の中敷を生産現場ごとに変えることでさまざまなニーズに対応可能としている。
目的に応じて役割を変えることができる「超拡張性能」が特徴で、例えば、効率的な小口輸送に適したカスタマイズを施すことでラストマイルにおけるスマート物流に役立てることができる。商品陳列棚を設けた移動販売車へのカスタマイズや、座席を増やして乗り合いバスにするなど、地域の課題や需要に対応したカスタマイズもできる。
プライベートユースにおいては、一人ひとりの趣味嗜好に応じたカスタマイズにより、オンリーワンのモビリティに進化させることもできる。車いす利用者も乗り込みやすく、運転席に移動しやすい設計にすることで移動の自由の提供にも貢献するとしている。
ジャパンモビリティショー2025では、このKAYOIBAKOの応用例が複数展示されているようだ。「KAGO-BO」は、すべての人に移動の自由を提供できるニュータクシーをコンセプトとしており、快適な広々空間で人に寄り添うクルマ型ロボットとして設計されている。
boost meは、パラスポーツをヒントにスポーツに特化したモビリティとして開発が進められているという。重心移動に合わせて前後進・回転することが可能で、フリーハンドで移動することができる。年々進化するパラスポーツ技術の要素を日常の中に取り入れることで、障がい者も高齢者もアクティブな活動を行うことができる。
ジャパンモビリティショー2025では、「meシリーズ」として「challenge me」「walk me」も展示している。boost meを含め、健常者と障がい者のバリアを払拭するような新しいインクルーシブデザインを目指して開発されたものだ。
challenge meは「車いすのランクル」と言われるほどごつい仕様で、登山やトレッキングなど、障がい者らが諦めがちな活動を可能にすることを目指したモビリティとなっている。
walk meは、タイヤではなく4本足で歩行するモビリティで、車いすのように座って利用する。4本足のため、狭い場所での転回や段差の乗り越えなどにも対応可能だ。開発には、ロボット開発を手掛けるツバメインダストリが関わっている。
■【まとめ】今後の開発動向に注目
ジャパンモビリティショー2025には、10年後の未来を見据えたさまざまなモビリティが展示されたようだ。中でも、TOYOTA Kids mobiはこれまでになかったキッズ専用自動運転車として今後の開発動向に注目が集まる。
移動に何を結び付け、価値を高めていくのか。モビリティカンパニーを目指すトヨタのチャレンジ精神が垣間見える展示内容と言えるだろう。
【参考】関連記事としては「トヨタの運転支援機能と日産ProPILOT、どちらがいい?【自動運転レベル1〜2】」も参照。











