うっかり?中国メディア「テスラが最も優秀」と発表しちゃう

36車種を同じ条件でテスト

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中国メディアが行った自動運転車のテストで、米EV(電気自動車)大手のテスラが最も優秀だという結果になった。中国メーカー各社による自動運転開発が進む中、共産党支配が強い中国でこのような結果を発表したメディアは、同国内で危うい立場になる恐れがあるかもしれない。

このテストを行ったのは、中国IT大手ByteDance傘下の自動車メディア「懂車帝(Dongchedi)」だ。実際の高速道路を数日間閉鎖し、複雑で危険な実走行環境において36種類の車両運転支援システムをテストした。多くのシステムが技術的に不十分であったことに対し、テスラのシステムはほとんどのテストをパスすることができたという。

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■高速道路を閉鎖し大規模テスト

Dongchediは実際の道路上での自動運転システムの比較テストを実施し、その様子をYouTubeチャンネル「DCARSTUDIO」で公開(https://www.youtube.com/watch?v=0xumyEf-WRI)した。これまでコンピューター上で比較するか、各社のシステムそれぞれを走行させてのテストはあったが、同じ道路上を一斉に走行させて比較するという大規模テストは行われていなかった。Dongchediは画期的な取り組みを行ったことになる。

出典:YouTube

DCARは中国で販売されている36種の車を用意し、ADAS(先進運転支援システム)の性能を確認するために下記の6種類の異なるテストを行った。

【参考】関連記事としては「【最新版】自動運転車の事故、日本・海外の事例まとめ」も参照。

【最新版】自動運転車の事故、日本・海外の事例まとめ

■36台で216件の事故

今回のテストは、人間による運転でも事故を起こすような難易度の高い状況を設定して行われた。大半の車両が完全に失敗または一部分のみクリアするといった結果になり、合計216件もの事故が発生した。動画を見ると、ほとんどの車種が障害物に衝突したり、誘導のための三角コーンを倒したりしてしまっている。

ただし5つ目のテストの強引な合流といった状況は難易度が高いため、DCARが各ブランドで最も成績の良い車両だけを残す形で参加車両を絞っており、全ての車両がテストを行ったわけではないようだ。

テスト失敗の例としては、中国スマートフォン大手Xiaomi(小米科技/シャオミ)のEV「SU7」は、1つ目のテストで素早く反応することができたが、その後ブレーキを緩め、再びブレーキを踏んだ。しかし最終的に衝突を避けることはできなかった。またメルセデス・ベンツ「Cクラス」はイノシシのテストでセンサーが破損し、その後走行不可となっている。

最終的に、すべてのテストを通してテスラがトップという結果になった。同社のEV「Model 3」と「Model X」はどちらも6つ中5つのテストに合格した。しかし、失敗したテストは異なる。

Model Xは標識がはっきりした工事区間に進入してしまい、2番目のテストをクリアできなかった。Model 3は6番目のテストでイノシシを認識したものの、十分に減速できず回避できなかった。なお今回のテスト車両でイノシシを避けられたのは、Model Xのみであったという。

■LiDARを使わない方針のテスラが優勢?

テスラのADASや自動運転システムは、「自動運転の目」と言われるLiDARを使わないことで知られている。通常、こういったシステムはLiDARや各種レーザー、カメラにより走行を可能にしているのに対し、テスラはカメラのみを使用したビジョン専用システムを採用している。

しかし今回のテストでは、LiDAR搭載の車種よりもテスラ車の方が性能が優れているという結果になった。LiDARが本領発揮するのは、夜間や悪天候下であるが、今回のテストは悪天候の状況では行われなかったということも関係しているかもしれない。またテスラは他社に先駆けて2014年からADASを提供しており、その経験により膨大な走行データを収集していることも関係していそうだ。

■テスラの完全自動運転実現に期待!

米国で自動運転タクシー(ロボタクシー)を始動させたものの、セーフティドライバー同乗のもとでの走行のため「自動運転ではない」との声も出ているテスラ。しかし高度なADASにおいては確かな実績があり、Dongchediによるテストでそれが証明されたことになる。

ADASはあくまで「運転支援」のため、ドライバーが機能をよく理解して利用する必要がある。実際、これまでに起こったテスラ車による事故はドライバーがシステムを過信したことによるものが多い。

何かと話題になりがちなテスラだが、ADASにおいては一流の技術を持つことが証明された。そして自動運転でもドライバーレス走行を実現するなら、より多くの信頼を勝ち取ることができそうだ。

【参考】関連記事としては「米国で「自動運転車」と検索すると「テスラ」が独占状態」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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