トヨタの「あの非公開企業」、利益50億円超に倍増!最新決算

ビッグデータ活用の新サービス構築



出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

トヨタの非公開企業のうち、コネクティッド分野に関する事業を展開することで地味に注目度が高いトヨタコネクティッド株式会社(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:山本圭司)。同社の第25期(2024年4月〜2025年3月)決算公告が、官報に掲載されている。

売上高は前期比17%増の821億3,790万円、当期純利益は前期比98%増の51億1,109万円であった。売上も純利益も好調という結果となっている。なお過去5期の売上高と純損益の推移は、以下の通りだ。


<売上高の推移>
・第21期:542億7,415万2,000円
・第22期:591億5,777万7,000円
・第23期:601億1,228万1,000円
・第24期:701億6,071万円
・第25期:821億3,790万3,000円

<純損益の推移>
・第21期:36億2,266万7,000円
・第22期:49億4,048万4,000円
・第23期:74億9,514万1,000円
・第24期:25億8,312万7,000円
・第25期:51億1,109万1,000円

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■決算概要(2025年3月31日現在)

賃借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 69,639,671
固定資産 7,721,242
有形固定資産 885,226
無形固定資産 961,446
投資その他の資産 5,874,569
資産合計 77,360,914
▼負債の部
流動負債 63,626,724
賞与引当金 902,899
役員賞与引当金 34,834
製品保証引当金 17,498
その他 62,671,493
固定負債 834,385
退職給付引当金 392,472
役員退職慰労引当金 33,265
その他 408,648
負債合計 64,461,110
▼純資産の部
株主資本 12,899,803
資本金 650,495
資本剰余金 650,495
資本準備金 650,495
利益剰余金 11,598,813
その他利益剰余金 11,598,813
純資産合計 12,899,803
負債・純資産合計 77,360,914

損益計算書の要旨(単位:千円)

売上高 82,137,903
売上原価 69,844,736
売上総利益 12,293,167
販売費及び一般管理費 6,365,917
営業利益 5,927,250
営業外収益 1,183,314
営業外費用 10,190
経常利益 7,100,374
特別利益 440
特別損失 402,569
税引前当期純利益 6,698,245
法人税、住民税及び事業税 1,739,199
法人税等調整額 △152,045
当期純利益 5,111,091


出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

■「お客様との接点を拡げるため」設立

トヨタコネクティッドは、1996年にトヨタ自動車の国内企画部に業務改善支援室(チームCS)が発足したことからスタートした。その後、トヨタの顧客向けITを推進する戦略ビジネスユニットとして「ガズーメディアサービス株式会社」が2000年に設立され、会社組織となった。

ガズーメディアサービスは、当時トヨタ自動車営業本部課長であった豊田章男氏(現:トヨタ自動車会長)と友山茂樹氏(現:トヨタ自動車Executive Fellow)が、ITと自動車事業が融合する時代が来ると予見し、「ITによってお客様との接点を作る」との思いで立ち上げたという。

2002年にはガズーメディアサービスがトヨタのテレマティクス事業を統合、人とクルマと社会を有機的に結ぶテレマティクスサービス「G-BOOK」が誕生した。2003年に「デジタルメディアサービス株式会社」、2008年に「トヨタメディアサービス株式会社」に社名変更した。2017年に現在の「トヨタコネクティッド株式会社」に社名を変更した。

出典:トヨタコネクティッド公式サイト

■MaaSやコネクティッド事業に注力

トヨタコネクティッドは、「MaaS」「コネクティッド」「デジタルマーケティング」「ディーラーインテグレーション」の4つの事業を展開している。


顧客の安心安全で快適便利なドライブ体験をサポートするコネクティッドサービスから、世界中のコネクティッドカーから収集されるビッグデータを活用した新たなモビリティサービスの構築、クルマの販売を支えるトヨタ販売店の業務改善ソリューションやデジタルマーケティングを行っている。またニュースメディア「Challenging for 20XX」では、社内外のさまざまな活動や取り組みを紹介している。

2024年3月には、住友商事グループでITサービスを展開するSCSK株式会社と協業することを発表した。安心・安全なモビリティ社会実現に向け、車両のコネクティッドサービス分野における「販売」「開発」「研究」「データ利活用」の4領域で協業を開始し、東南アジア地域を皮切りにグローバルで安心・安全なモビリティ社会の実現を目指していく。

■グループ企業の業績も好調なトヨタ

トヨタグループでWoven Cityなどを手掛けるウーブン・バイ・トヨタも、2025年7月に第5期決算を発表している。売上高は前期比8.5%増の1,563億1,400万円、当期純利益は前期の赤字から転じて152億1,500万円の黒字となった。

【参考】関連記事としては「トヨタWoven Cityの運営会社、また債務超過!第5期決算」も参照。

またトヨタとソフトバンクの共同出資会社であるMONET Technologiesの第7期決算では、売上高は前期比7.6%増の17億8,781万円、当期純利益は前期の赤字から転じ、8,339万円の黒字であった。トヨタコネクティッドのほか、トヨタグループ内の各企業の業績も好調なことが分かる。

次回の決算にも期待したい。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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