Woven City、ついに入居開始へ!トヨタ関係者から段階的に

第1期建物の完成が間近、実証開始は2025年から



出典:Woven City公式Facebookページ(https://www.facebook.com/WovenCity.JP/)

トヨタ自動車が静岡県裾野市に建設中の実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」の工事が順調に進んでいるようだ。

予定通りなら、2024年夏に第1期の建物が完成する。公式サイトでは街の完成イメージ図がアップされており、公式Facebookでは近未来的なビルが建っている建設現場の様子が紹介されている。


自動運転をはじめとした技術開発を行っていくWoven Cityでは、トヨタやトヨタ関係者から段階的に入居し、まずは約360人が住む計画になっている。テストコースで自動運転車が走行するなど、リアルな人の生活の中で実証を行うことができる場所として活用される予定だ。

■自動運転シャトルなどの実証を予定

Woven Cityは、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地を活用して建設が進められている実証都市だ。豊田章男前社長が、2020年1月に開催された世界最大の技術見本市「CES 2020」の場で開設を発表した。

2021年2月に着工、東京ドーム約15個分の広大がエリアに人が住み、モビリティのためのテストコースとして活用する予定で建設が進んでいる。

この地で行われるのは、トヨタが掲げる「幸せの量産」を目指したさまざまな実証実験だ。自動運転に関しては、「自動運転技術を鍛える」「自動運転を使ったサービスの価値検証」を目的に、自動運転機能をさまざまな発明者が使い、試すことでユースケース拡大していくという。


具体的には、トヨタの自動運転システムを搭載した「e-Palette(イーパレット)」を使い、バス事業者による自動運転バスサービスや、小売業者による自動移動販売サービスなどを行っていくようだ。

そのほか、スマートロジスティクスや次世代遠隔コミュニケーションプロダクトといった分野での実証も行う。Woven Cityでの実証実験を検討中のパートナーとしては、ENEOSや日清食品、リンナイが発表されている。

■まずは360人が居住、最終的には2,000人

計画では、フェーズ1では2024年内に建物工事が完了、2025年に一部実証がスタートする。面積は約5万平方メートルとなっている。トヨタやトヨタ関係者から段階的に入居し、最終的には約360人が住むという。


フェーズ1以降の建築スケジュールは現時点では決まっていないということだが、約70万8,000平方メートルのエリアに約2,000人が住むという計画のようだ。

公式サイトのイメージ図やイメージ動画では、植栽が各階に配置された4〜5階建ての白いビルが建ち並んでいる様子を見ることができる。住民が居住するマンションになるのだろうか。

建物の間を、e-Paletteと思われるモビリティが行き交っている。自転車や電動キックボードのようなモビリティに乗って移動している人もいる。小型ロボットも街の中を移動するようだ。

■「永遠に未完成の街」がコンセプト

Woven Cityのコンセプトは、「ヒト中心の街」「実証実験の街」「未完成の街」だ。また「テストコースの街」でもあるという。画一的な幸せではなく、人それぞれによって異なる幸せに寄り添っていくというコンセプト「幸せの量産」の実現のために常に改善を続け、そのため永遠に未完成だとしている。さすが世界のトヨタとも言える壮大なプロジェクトだ。

トヨタが今後どの程度内容を公開していくのかは不明だが、フェーズ1の建物完成後は世界でも大きな話題になるであろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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