アメリカである動画が話題になっている。米EV(電気自動車)大手テスラの車両のドライブレコーダーに記録されていた映像で、テスラ車が電車横断中の線路に突き進み、衝突1秒前になって何とか右に逸れて事故を回避したという動画だ。
この動画の提供者は、テスラ愛好家が集まる「teslamotorsclub.com」のメンバーのCraig Doty II氏。米NBC Newsの取材に応じている。アメリカでテスラ車に対する不安が広がる可能性がある。
Cameras are good enough for FSD – Elon Musk.
Unless you don’t want to get hit by a train.
“I have owned my Tesla for less than a year, and within the last six months, it has twice attempted to drive directly into a passing train while in FSD mode. The most recent incident… pic.twitter.com/XAQccItBYw
— Artem Russakovskii (@ArtemR) May 19, 2024
■当時は「FSDモード」で走行
動画を観ると、当時は「FSDモード」(完全自動運転モード)で走行しており、周辺には霧がかかっている状況だった。衝突直前に急ハンドルで右に逸れたことで踏切のアームに衝突し、車両の右側全部が大きく損傷した。
以下は事故直後の写真だ。バンパーは壊れ、タイヤの向きが変わるほどの衝撃を受けていることが分かる。
■Craig Doty II氏の投稿内容
Craig Doty II氏はteslamotorsclub.comにおいて、以下のように投稿している。
I am looking for information on incidents involving Tesla’s Full Self-Driving (FSD) mode. I have owned my Tesla for less than a year, and within the last six months, it has twice attempted to drive directly into a passing train while in FSD mode. The most recent incident occurred on May 8, 2024, and I have dash cam footage from that event.(テスラの完全自動運転(FSD)モードに関する事故情報を探しています。私はテスラを所有して1年未満ですが、過去6ヶ月の間に2度、FSDモード中に通過する列車に直接突っ込もうとしました。直近の事故は 2024 年5月8日に発生し、その時のダッシュカムの映像があります。)
I am trying to obtain the telemetry data from these incidents. Additionally, I am looking for similar cases or incidents. Unfortunately, I haven’t been able to find a lawyer willing to take my case due to the lack of significant injuries—only backaches and a deep bruise on my right elbow, which didn’t require medical attention.(これらの事故のテレメトリーデータを入手しようとしています。さらに、似たようなケースや事故も探しています。残念ながら、大きな怪我がなく、腰痛と右肘に深い打撲があるだけで、治療を必要としなかったため、私の訴訟を引き受けてくれる弁護士を見つけることができませんでした。)
引用:https://teslamotorsclub.com/tmc/threads/ap-fsd-related-crashes.264798/page-8#post-8259936
■テスラはノーコメントだが・・・
ドライブレコーダーに記録された映像をみると、少なくとも人間の目では数秒前には踏切の信号が赤く点灯しているのが確認できる。しかし、テスラのセンサーはその踏切の信号を認識できなかったのだろうか。
ちなみに事故報告書によると、当時、Craig Doty II氏は道路を時速60マイル(時速約96キロ)前後で走行しており、その道路の制限速度は時速55マイル(時速約88キロ)だったという。
テスラはNBC Newsによるコメントの要請に応じていないが、批判が高まれば対応せざるを得ない状況になる可能性もありそうだ。
【参考】関連記事としては「テスラはオオカミ少年?真の「自動運転」実現なら覇者返り咲きか」も参照。