道、ときどき空へ!「空飛ぶ軽トラ」コンセプトモデルが画期的

プロドローンが開発した「SORA-MICHI」



出典:プロドローン・プレスリリース

産業用ドローン開発を手掛ける株式会社プロドローン(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:戸谷俊介)は、「空飛ぶ軽トラ」のコンセプトモデルである新機体「SORA-MICHI」をこのほど発表した。

SORA-MICHIは、50キロ搭載して50キロ飛行可能なカーゴドローンだ。UGV(無人地上車両)とAGV(自動搬送車)の機能をあわせ持ち、かつ空も飛ぶという画期的なモビリティになる。つまり陸空両用のモビリティだ。「道、ときどき空へ」がキャッチコピーの一つのようだ。


同機は、2023年10月26日〜11月5日に開催の「Japan Mobility Show 2023」の愛知県ブースにて出展している。

■「空飛ぶ軽トラ」開発の背景

プロドローンは愛知県と共に、社会課題の解決と地域の活性化を図る官民連携プロジェクトの創出を目指す「革新事業創造戦略」の枠組みによる第1号プロジェクトとして「あいちモビリティイノベーションプロジェクト『空と道がつながる愛知モデル 2030』」を推進している。

このプロジェクトは、2030年に空のUTM(無人航空機システム交通管理)と地上における自動運転の路車間・車車間通信が初めて統合され、愛知県でシームレスな交通環境が運用開始されることを目標にしている。この取り組みの第1弾が、官民連携で行うSORA-MICHIのプロジェクトになる。

SORA-MICHIは、ドローンが「道も走る」という逆転の発想から生まれた。しかし川を渡ったり山に登ったり海を越えたりといった、空の方が速く、総合的に環境負荷が少ない場合は飛行する。平時には医薬品配送などで中山間部や離島の地域課題解決に寄与し、災害時には孤立集落時に救援物資を輸送することで減災に貢献することを目的にしているという。


■SORA-MICHIのスペックは?

SORA-MICHIは、通常は地上をAGVとして走行する。飛行時にはメインロータ、テールロータを回転させて空を飛び、着陸後はラストワンマイルをAGVとして地上走行するという仕組みになっている。

50キロの荷物を積載し50キロの距離全てを飛行した場合の消費燃料は、10〜15リットルになる。なお50キロメートルを全て走行した場合は、2〜3リットル程度になるようだ。

プロドローンが公開している動画では、「道、ときどき空へ」というキャッチコピーとともに、ホワイトの4輪のロボット型モビリティが物流施設を飛び立ち飛行する様子が紹介されている。


■開発企業のプロドローンについて

2015年設立のプロドローンは「地域から一番信頼されるドローンカンパニーになる」をビジョンに、産業用ドローンの開発を行っている。社内で開発から生産までをワンストップで行っているのが特長だ。トヨタグループのジェイテクトが2023年4月に資本参加したことでも知られている。

量産を開始しているマルチコプター「PD6B-Type3」は、国内で初めてドローン配送事業の本格運用に採用された最新機体で、現在も長野県伊那市で配送事業を行っているという。また長距離長時間運用を可能にしたシングルローター機「PDH-GS120」なども手掛けている。

今回発表されたSORA-MICHIは、陸上を走行しつつも、水面や悪路は飛行することができるという画期的なモビリティで、特に災害などで強みを発揮するだろう。早期の実用化に向けた進捗に注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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