日産、対面式座席にできる「完全自動運転カー」を発表!運転席と助手席は360度回転

続々とEVコンセプトカーを発表



出典:日産プレスリリース

日産自動車は2023年10月20日までに、EV(電気自動車)コンセプトカーの第3弾となる「ニッサンハイパーツアラー」を発表した。

この車両には、「完全自動運転技術」が搭載されているという。運転席と助手席が360度回転するため、完全自動運転モードで走行中は、運転席と助手席を後部座席と向かい合わせにすることで、乗員同士が対面での会話を楽しむことができるというデザインになっている。


日産は2023年10月26日~11月5日に「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に出展し、この車両を紹介する予定だ。

■完全自動運転機能搭載のEVコンセプトカー

ニッサンハイパーツアラーは、日本ならではのおもてなしの精神や上質さのほか、自動運転をはじめとする数々の先進技術を融合したプレミアムEVミニバンだという。伝統的かつ未来的なデザインを融合した車両になっている。日産が現在発表している4つのEVコンセプトカーの中で、唯一自動運転機能を搭載した車両のようだ。

ニッサン ハイパーツアラーでは、小型化した各コンポーネントを統合し、高いエネルギー密度の全固体電池を組み合わせることでクルマのパッケージングを革新する「ニッサンEV テクノロジービジョン」により、フルフラットなフロアで広々としたインテリアを実現している。この技術による超低重心化と、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」により、フラットで安定感のある走りを可能にしているという。

さらにV2X(Vehicle-to-Everything)機能を搭載することにより、大容量のバッテリーに蓄えた電力を自宅や店舗、オフィスなどに給電するだけでなく、旅先やさまざまなビジネスシーンでも活用できるようだ。


また、バイオセンシング付きのAI(人工知能)機能がヘッドレストに搭載されており、ドライバーや乗員の脳波や心拍数などから気分を判断し、空調や照明を自動調整することで、室内の雰囲気を最適に演出するという機能も持つ。

出典:日産プレスリリース
■現時点で4モデルのEVコンセプトカーを発表

日産は今月に入り、EVコンセプトカーを続々と発表している。第1弾の「ニッサンハイパーアーバン」(デジタルモデル)は、2023年10月3日に発表された。今あるものを大切に使い続ける持続可能なライフスタイルを追求しながら、都市や郊外といった場所を問わずにアクティブに活動するユーザーに向けたクロスオーバーEVとなる。

また10月10日に発表した第2弾「ニッサンハイパーアドベンチャー」は、環境に配慮したライフスタイルを送りながら、アウトドアを思う存分楽しみたいユーザーに向けた本格SUVだ。

さらにニッサンハイパーツアラーの発表ののち、10月19日には第4弾の「ニッサンハイパーパンク」を発表している。車内で過ごす時間をよりクリエイティブなものにするコネクティビティ技術が、クルマの中での制作活動やクリエイターとのコラボレーションを可能にし、バーチャルとリアルの世界やクルマの中と外がシームレスにつながることが可能になるコンパクトクロスオーバーEVになっている。


日産の公式サイトによると10月25日にも発表を行う予定となっているため、最低でも第5弾まではEVコンセプトカーが開発されていると予想できる。

■日産が取り組む完全自動運転車

ニッサンハイパーツアラーでは、完全自動運転と快適な走行、工夫を凝らした車外・車内デザインの全てを実現させ、まさに未来のモビリティといったような風格を持っている。完全自動運転での走行中は前後の座席を向かい合わせにできるという点も、人が運転から解放される自動運転車ならではの設計だと言える。

このコンセプトカーの発表は、日産が完全自動運転化を視野に開発に取り組んでいることを改めて感じさせる。同社の自動運転車の市販化がいつになるか、期待して待ちたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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