完全自動運転めざすTuring、年間9億円の赤字判明 第4期決算

「テスラ超え」がミッション



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

完全自動運転の実現に取り組むスタートアップであるTuring株式会社(本社:東京都大田区/代表取締役:山本一成)の第4期決算公告(2024年12月31日現在)が、官報に掲載されている。第4期の当期純損失は、9億2,659万円であったことが判明した。

発表されている最新の決算が2024年12月末時点のデータのため、現在の状況はまた変わってきていることも考えられる。


Turingは2025年も完全自動運転の社会実装を見据えたさまざまな取り組みや大規模な資金調達を行っている。自動運転技術の開発は競争が激しい分野であるだけに、大手自動車メーカーや米Googleなどのメガテックに正面から立ち向かい続ける同社に期待する声も多い。

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■決算概要(2024年12月31日現在)

貸借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 4,455,518
固定資産 364,522
繰延資産 820
資産合計 4,820,861
▼負債及び純資産の部
流動負債 483,180
株主資本 △2,540,484
資本金 30,000
利益剰余金 △2,570,484
その他利益剰余金 △2,570,484
(うち当期純損失)(926,590)
新株予約権 6,878,166
負債・純資産合計 4,820,861

■完全自動運転車両の開発・販売に挑む

出典:Turing公式サイト

Turingは、将棋名人を倒したAI「Ponanza」の開発者として知られるCEO(最高経営責任者)の山本一成氏と、米カーネギーメロン大学で博士号を取得し、その後自動運転開発に関する見識を深めてきた前CTO(最高技術責任者)の青木俊介氏を中心に2021年8月に設立された。

「We Overtake Tesla(我々はテスラを超える)」をミッションに掲げ、完全自動運転車両の開発・販売に取り組んでいる。具体的には、カメラから取得したデータのみでステアリングやブレーキ、アクセルなど運転に必要なすべての判断をAI(人工知能)が行うE2E (End-to-End) の自動運転AIを開発している。高度な自動運転を実現する「生成AI」、AIを車載で動かす「半導体」、車両とAIを一体化させる「自動運転システム」の3軸の開発を同時に進めることで、2030年までに完全自動運転を実現することを目指している。


2024年8月に、日本初の自動運転向け生成世界モデル「Terra(テラ)」の開発を発表した。このモデルを運転シミュレータや自動運転システムの一要素として利用することで、より安全かつ効率的な自動運転開発を行うことが可能になるという。

■資金調達も積極的に実施

2022年7月にシードラウンドで総額10億円の資金調達を行ったことから始まり、2023年8月に合計5.2億円の資金調達を実施。2024年4月にはプレシリーズAラウンドの前半として30億円、同年7月に後半として15億円を調達している。

2024年12月にプレシリーズA追加ラウンドとして10.2億円の資金調達を完了。これによりプレシリーズAラウンドの調達金額は総額55.58億円となった。さらに2025年11月には、シリーズAの1st Closeとして合計152.7億円の資金調達が完了したことを発表している。

■We Overtake Teslaの具体策は?

2025年12月には最新の研究成果と今後の開発方針を紹介する「Turing AI Day 2025」を開催した。その中で山本CEOは、ミッションである「We Overtake Tesla」に下記のように言及している。


先を行くテスラにどう勝つのか、その中で強く意識しているのがSecond Mover Advantageです。
先行プレイヤーは、常に新しい技術パラダイムを切り開き続ける必要があるため、圧倒的なR&Dコストがかかります。
一方で私たちは、世界のトッププレイヤーが切り拓いてきた軌跡を、変に差別化するのではなく、「正しくトレースし、ちゃんと追いかける」戦略を取っています。

LLMの世界を見ると、トップと2番手グループとのギャップは、すでに1年程度にまで縮まってきています。また、自動車の世界は、ソフトウェア産業で言われるような「勝者総取り」の世界ではありません。
量産や買い替えのサイクルが存在するため、セカンドムーバーにも十分な勝ち筋がある産業構造になっています。
私たちはまだ、世界のトッププレイヤーに勝てていないという自覚を持ちつつ、着実に追いかけ続けることそのものが、長期的な勝利につながると考えています。(参考:https://tur.ing/turipo/V92WBOTo

なおテスラも過去に年次イベント「AI Day」を開催しており、今回のTuringのイベントもテスラを意識したものなのかもしれない。

本気で完全自動運転の実現に取り組むTuring。同社の動向にますます注目したい。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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