自動運転ソフトウェア開発企業の英Oxa(旧:Oxbotica)=オクサ=が、米Googleから出資を受けていることが、このほど明らかになった。海外メディアが報じている。
Oxaが企業登記局に提出した書類によると、GoogleはOxaの株式の3.5%を取得したという。この投資は、Oxaが2023年1月に行った1億4,000万ドル(約208億8,000万円)のシリーズC資金調達ラウンドの一部だという。
同ラウンドには、中国のネットサービス大手テンセントやネットスーパー大手の英Ocado、ENEOSイノベーションパートナーズなどが参加していたようだ。Googleが参加していたことは非公開とされていた。
Oxaは今回の資金調達について、まだコメントを出していないが、今後Googleと自動運転開発において協業していくことになるようだ。両社はすでにシミュレーションとテスト技術開発において協力関係にあるという。
■GPSや外部マップに頼らずに…
Oxaは、オックスフォード大学の2人の教授により2014年に設立された自動運転ソフトウェア開発企業だ。2023年5月にOxboticaから社名変更した。
教授2人は同大学のロボットカープロジェクトに携わっていたことで知られており、GPSや外部マップに頼らない自動運転ソフトウェアの開発を進めており、Oxaの自動運転システムもこれを継承しているとみられる。
GoogleがOxaに出資したことは、GoogleもともにGPSもマップもなしでの自動運転に挑戦していることと同義だ。GPSもマップもなしでの自動運転の実現は、自動運転レベル5(完全運転自動化)への最も近道だと考えられている。
■2016年の英公道での自動運転走行を皮切りに
同社は、2016年10月に英国で初めて公道で自動運転車を走行させたことで知られる。
Ocadoとは2017年から提携し、トライアルで自動運転車によるデリバリーサービスを行った。また2021年4月には、自動運転車用のハードウェアとソフトウェアのインターフェースを共同開発することを発表している。
2023年3月には、Googleの親会社である米Alphabetのクラウドサービス「Google Cloud」との戦略的提携を発表している。これによりGoogle Cloudのストレージやネットワーク、機械学習プラットフォームのVertex AIを使用して、自動運転技術の開発や検証などを行っていくという内容であった。
【参考】関連記事としては「Googleが名門大自動運転ベンチャーと提携!英Oxboticaが発表」も参照。
Oxaのメタバース「MetaDriver」は、AI(人工知能)と搭載データを利用してシミュレートされたシナリオを実際の走行ルートと合成し、実際に走行しなくても自動運転機能の検証を行うことができる。Google Cloudを利用することで、MetaDriverのデジタルツインを生成でき、複数のシナリオから膨大な量のデータを分析可能になる。
■Google系Waymoと共同開発も?
ちなみにGoogle系では、同社の自動運転開発部門がスピンアウトして設立されたWaymoがすでにあり、Googleは自社でも自動運転開発を進めている格好だ。GoogleがOxaと提携したことにより、Waymoの自動運転車にOxaのシステムが採用されたり、共同開発を行ったりということもあるかもしれない。
Googleも注目する英国の有力自動運転開発企業Oxaの動向を引き続き追っていきたい。
▼Oxa公式サイト
https://oxa.tech/
【参考】関連記事としては「Googleが名門大自動運転ベンチャーと提携!英Oxboticaが発表」も参照。