英オックスフォード大学発スタートアップのOxbotica(オックスボディカ)は2023年4月2日までに、米アルファベットのクラウドサービス「Google Cloud」との戦略的提携を発表した。
これによりOxboticaは、自動運転ソフトウェアプラットフォームの世界展開を加速させるという。
■Google Cloudとの提携内容は?
今回の提携によりOxboticaは、Google Cloudのストレージやネットワーク、機械学習プラットフォームのVertex AIを使用して、自動運転技術の開発や検証などを行っていく予定だ。
Oxboticaのメタバース「Oxbotica MetaDriver」は、AI(人工知能)と搭載データを利用してシミュレートされたシナリオを実際の走行ルートと合成し、実際に走行しなくても自動運転機能の検証を行うことができる。
Google Cloudを利用することで、MetaDriverのデジタルツインを生成できるという。それにより、複数のシナリオから膨大な量のデータを分析可能になる。Google Cloudの拡張性を活用し、大規模なデータセットを迅速に分析・処理し、さまざまなユースケースを学習可能になるということのようだ。
また、Google Cloudのサイバーセキュリティ技術を活用して、自動運転技術の安全を確保するとしている。
■名門オックスフォード大学発ベンチャー
Oxboticaは、オックスフォード大学の2人の教授によって2014年に設立された自動運転ソフトウェア開発企業だ。2人は同大学のロボットカープロジェクトに携わっており、GPS(全地球測位システム)や外部マップに頼らない自動運転ソフトウェアの開発を進めていたことで知られており、同社が開発する自動運転システムも、こうした特徴を継承しているようだ。
2023年1月には、シリーズCラウンドで1億4,000万ドル(約186億円)の資金調達を行っている。出資企業には、中国のテンセントやあいおいニッセイ同和損害保険、ENEOSイノベーションパートナーズも新たに名を連ねている。
なお、あいおいニッセイ同和損害保険は、Oxboticaと2022年12月に資本業務提携したことを発表している。Oxbotica独自の自動運転システムを活用しながら、完全自動運転の特徴をふまえた保険のあり方を検討していくという。
■ビッグテックとの提携は自然な流れ?
Oxboticaと同じ英国の自動運転スタートアップであるWayveも、米Microsoftとの協業を2022年5月に発表している。マイクロソフトのスーパーコンピューター技術を活用し、膨大なデータ処理を行っていくという。
自動運転開発では、膨大な情報の処理や仮想環境でのテストが必須になってくることから、開発企業が巨大IT企業の技術に頼るのは自然な流れと言えるかもしれない。この潮流は今後も進むと考えられる。
▼Oxbotica公式サイト
https://www.oxbotica.com/
【参考】関連記事としては「自動運転ソフト開発の英Oxbotica、48億円資金調達 オックスフォード大発スタートアップ」も参照。