トヨタWoven City「永遠に未完成」「人口2,000人」 FAQ分析

フェーズ1の工事終了が来年に迫る



トヨタが発表したWoven City計画=出典:トヨタプレスリリース

トヨタの実証都市「Woven City」が、静岡県裾野市で建設中だ。フェーズ1の工事は2024年夏に終了し、居住スペースなどの建物が完成、2025年から一部の実証実験を開始する予定だ。

Woven Cityがどのような街となるのか興味・関心を示している業界関係者、そしてトヨタファンは多いはずだ。公式サイトに「FAQ」 (よくある質問)が掲載されているので、その内容を読んでいこう。


■「永遠に未完成」の街

まず、「Woven Cityはいつ完成するのですか?」という質問には、「Woven Cityのコンセプトは、『ヒト中心の街』『実証実験の街』『未完成の街』です。そしてWoven Cityは『テストコースの街』です」とし、「ヒトそれぞれに異なった幸せを生み出すために、常に改善を続けます。そのため永遠に未完成なのです。なお、居住に必要なインフラが整う第一期オープン時期は2024年から2025年を予定しています」と回答している。

Woven Cityは街全体がテストコースになっており、トヨタが目指す「幸せの量産」を実現するため、12の分野で実証実験が行われる予定だ。2021年2月23日に着工し、ちょうど2年が経過した2023年2月23日には「Woven City建設中 -地鎮祭から2年-」という動画がアップされた。造成工事の様子や、2022年11月に始まったフェーズ1の建築工事の様子が紹介されている。

フェーズ1の工事は2024年夏に終了し、居住スペースなどの建物が完成する予定だ。その後準備期間を経て、一部の実証実験は2025年から開始する計画のようだ。


■最終的な住民は約2,000人

「どうしたら住めますか?」という質問に対しては、「Woven Cityは住民を含むWoven Cityに関わるすべての人々と共創する街です。ヒト中心のこの街で、ともに社会課題を解決していけるよう、発明家、高齢者、子育て世代の方々などに居住していただくことを考えています。居住に関する情報は、決まり次第公表します」と回答している。

2025年までに住民の入居を開始する予定で、最終的な住民の人数は約2,000人を想定しているようだ。初期住民として対象になっているのは、トヨタの従業員と家族、退職した夫婦、小売店舗で働く人、プロジェクトに参画する科学者、各業界のパートナー企業の担当者、報道関係者、トヨタと一緒にこのプロジェクトに参画することに関心がある人、将来の暮らしを改善したいと思っている人──といった人たちだ。

入居の公募などの情報はまだないが、どのような方法で外部から住民を募集するのか、または公募はしないのか、気になるところだ。

【参考】関連記事としては「トヨタWoven City、初期住民は8種類!自動運転を試す実証都市、いつオープン?」も参照。


■協業する企業や発明家を募集中

「Woven Cityのプロジェクトにどうすれば関われますか?」には、「Woven Cityは『テストコースの街』です。社会課題の解決に向け、一緒にまだ世の中に存在しない新しい仕組みやサービスを発明し、実際の街の中で試したいと考えている発明家の方、企業の方などのご提案をお受けしています」とある。

さらに「私たちの想いに共感し、Woven City Managementの一員として一緒に働きたいという皆さまからの応募もお待ちしています」とも回答している。採用が現在行われており、シティオペレーションアシスタントマネージャーや各種ソフトウェアエンジニア・ハードウェアエンジニア、個人情報保護スペシャリスト、資産運用マネージャーなど、多種多様なポジションで募集されている。

■見学・視察は現在のところできない

最後に「Woven Cityの見学・視察はできますか?」といった質問には、「Woven Cityは現在建築工事中です。工事現場で安全に視察を受け入れる体制を整えることが困難な状況のため、お断りさせていただいております」と答えている。見学・視察について、すでに数多くの問い合わせがあるようだが、視察は不可となっている。

■気になるオープン後のWoven City

Woven Cityオープン後は、住民以外の一般人の見学は可能なのだろうか。

実証実験を行い、かつ住民もいるため、外部からの見学はすぐには難しいかもしれないが、もし一般公開されるとなると、最新モビリティを体験できる街として、話題を集めることは間違いないだろう。

【参考】関連記事としては「発見!トヨタWoven City、最新動画に「自動運転シャトル」」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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