エアモビリティの自動管制システムを開発するスタートアップの株式会社FaroStar(本社:東京都新宿区/代表取締役:星尚男)=ファーロスター=は、イークラウドを通じた資金調達を開始する。
インターネットを通じて非上場のベンチャー企業に投資を行える「株式投資型クラウドファンディング」を提供するイークラウドが、第19号案件「FaroStar」の事前開示を開始し、2023年3月18日10時から投資申込みの受付を開始するという。
FaroStarは、資金調達により独自の自動管制システムの開発をより推進し、次世代航空モビリティの社会実装を目指す。
■FaroStarの自動管制技術
ドローンを人がいる上空で目視できない範囲を飛行させる「レベル4」飛行が2022年12月に解禁され、また2025年開催の大阪・関西万博では空飛ぶクルマが実用化される予定だ。
FaroStarは、空飛ぶクルマやドローンなどの次世代航空モビリティが安全に飛び交う社会を実現するために、独自の自動管制システムを開発している。
同社の衝突回避AIアルゴリズム「AURORA(オーロラ)」を適用した機体が衝突の危険性を検知すると、システムが一方の機体にルート変更を指示し、衝突を回避する。FaroStarによると、他社のシステムはルート変更の判断・指示まではできないため、この技術を持った自動管制システムを開発しているのは同社のみだという。
この自動管制システムは、物流分野で活用していく予定だ。さらにAURORAを適用した4足歩行ロボットや、空飛ぶクルマの海上版である「空飛ぶ船」などの研究開発も行っていくという。なお開発や実証実験では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)やNEXCO東日本、自治体などとも連携しているようだ。
■株式投資型クラウドファンディング
イークラウドは、インターネットを通じて非上場のスタートアップが個人投資家から資金を調達する「株式投資型クラウドファンディング」を提供している。
成長著しい非上場のスタートアップ企業が1年間に1億円未満の資金調達を行える仕組みで、2015年の金融商品取引法改正に伴って可能となった、比較的新しい資金調達手段だという。
今回の資金調達の目標募集金額は3,073万4,000円で、募集は2023年4月2日までとなっている。
■2019年7月設立のFaroStarの今後に期待
FaroStarは、航空自衛隊や日本マイクロソフト出身の星氏が2019年7月に設立した。自動管制システムのほか、災害発生時に災害に関する情報を共有するアプリ「FaroStarVision」や、AI駆動型次世代収集・配送ルート生成システム「Rabbit Hopper」を提供している。
2021年8月には、大阪府の「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」に採択され、大阪ベイエリアで空飛ぶクルマを想定したドローンを飛行させ、自動管制の実効性を検証している。
空の移動革命に必須な独自技術を開発するFaroStarの今後に期待だ。
【参考】関連記事としては「大阪万博のエアタクシーサービス、主役は「SkyDrive」に!?」も参照。