部品1/4で解像度10倍!?自動運転センサーで有望ベンチャー登場

防衛産業のエンジニアら、米国で2020年創業



出典:Spartan Radar公式サイト

自動運転モビリティ向けのセンサーを開発するスタートアップの米Spartan Radar(スパルタン・レーダー)が、1,700万ドル(約22億円)の資金調達を行ったようだ。米メディアが報じている。

投資会社の米8VCやIronGate Capital、Prime Movers Lab、MaC VCや、Microsoftから支援を受けたようだ。今回の資金調達により、2021年以降の資金調達額は合計4,200万ドル(約54億円)に達した。







■防衛産業のエンジニアらが創業

Spartan Radarは、防衛産業のエンジニアらにより2020年に設立された。次世代型自動運転モビリティ向けのセンサーソフトウェアを開発し、主に航空宇宙や防衛の分野に製品を提供している。

同社のレーダーは、高価な3D-LiDARに匹敵する精度と鮮明さで道路状況を把握し、自動車や歩行者、障害物などを解析できるという。

今回の投資ラウンドにマイクロソフトが参加したことに絡めて、Spartan RadarのCEO(最高経営責任者)は、同社のレーダーの搭載は「(Windowsの前世代のOSである)DOSからWindows 10になるようなもの」と語っている。

またメディアの取材に対し、「4分の1の部品で、解像度は5倍から最大10倍を実現する」とも豪語。センサーソフトウェアに関しては、OTA(Over The Air)による無線ソフトウェアアップデートも可能となっているという。

■いずれ上場話も出てくる!?

レーダーやセンサーソフトウェアは、2025年を目処に乗用車向けに供給を開始する計画のようだ。

自動運転車向けのセンサーを開発している企業は少なくない。LiDAR開発に関していえば、米Luminar Technologiesやイスラエル企業のInnoviz Technologiesの存在感が強い。そんな中でSpartan Radarが事業を拡大していけるのか、注目だ。

ちなみに2022年は世界的な株安や景気後退の懸念もあり、米テック企業の上場は極めて低調だった。2023年に相場の風向きが変われば、Spartan Radarのようなテクノロジー企業の上場話は多く出てくるかもしれない。

▼Spartan Radar公式サイト
https://spartanradar.com/

【参考】関連記事としては「LiDARとは?読み方は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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