「人手」に代わる自動配送ロボ、姫路駅前で社会実装目指し実証

関西フーズやZMPなどが連携して実施



出典:関西フーズ・プレスリリース

回転寿司チェーンなどを運営する株式会社関西フーズ(本社:兵庫県姫路市/代表取締役:福永力夫)などは、兵庫県の姫路駅前で自動運転配送ロボットの実証実験を2023年2月8〜12日と22〜26日に行う。

この実証は、経済産業省の「令和4年度地域新成長産業創出促進事業」の一環として実施され、「人手を用いたデリバリーサービスに代わる、無人宅配ロボットを用いた簡単で便利なデリバリーサービス構築の第一ステップ」としている。







■ZMPの無人宅配ロボを使用して実証

姫路ではウォーカブルな街づくりを推進しており、「人とロボットが寄り添い、支え合う街づくり」を目指している。3年前から官民連携のもと、姫路駅周辺地区において自動運転ロボットによる移動サービスの実証を行っている。

関西フーズは、自動運転ベンチャーのZMPやNPO法人姫路コンベンションサポート、ZMPが設立した姫路ウォーカブル協議会と連携し、今回の実証を行う。姫路駅前周辺の直径約1キロの範囲で、ZMPの無人宅配ロボ「DeliRo(デリロ)」を使ったフードデリバリーサービスを提供する。

出典:関西フーズ・プレスリリース

利用者がスマートフォンで注文すると、注文を受けたロボットが配送先に時間厳守で商品を届ける。配送元は1店舗、配送先は9カ所で、限定ルートを走行するようだ。

商品が届くと利用者のスマートフォンへ通知が行き、ロボットへコードをかざし商品を受け取る。運行確認のため、オペレーターが付き添うという。税込850円以上から注文を受付、配送料は今回のみ無料となっている。

なお2023年4月の道路交通法改正により、要件を満たした自動運転ロボットが「遠隔操作型小型車」と位置付けられ、遠隔操作でロボットの単独走行ができるようになる。

■過去のDeliRoを使った取り組み

ZMPは2017年に「CarriRo Delivery(現DeliRo)」を活用した実証を、森ビルと共同で実施している。2018年にはローソンと慶應義塾大学SFC研究所とともに、コンビニ商品の無人配送サービスの実証も行った。

公道実証環境が整った2020年以降は、日本郵便との国内初の歩道での輸配送実証や、ENEOSホールディングスやエネキャリとの複数店舗の商品を宅配する国内初の実証なども実施している。

2022年3月には、DeliRoによるサプライズプレゼントの宅配支援サービスの開始を発表した。結婚式場やホテルなどを運営する事業者向けに、プロポーズや誕生日などのサプライズプレゼント配送に活用できるという。

■実証実験の成果の積み重ねにより…

日本でも実用化に向けた機運が高まっている無人デリバリーサービス。いずれは人間が行ってきた配送業務の多くを自動運転ロボットが担うようになる。1つの1つの実証実験の成果が、こうした未来につながっていく。今回の実証実験にも注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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