かつてない!?「立ち乗り型」自動運転モビリティに注目

関西電力子会社ゲキダンイイノが公道実証



出典:関西電力プレスリリース

関西電力子会社のゲキダンイイノ合同会社(本社:大阪府大阪市/代表:嶋田悠介)は、自動運転モビリティ「iino type-S712」の公道走行実証実験を2023年1月27〜29日に実施する。

兵庫県神戸市の三宮周辺地域で歩行者中心のまちづくり(ウォーカブルシティ)を進める神戸市と協力し、三宮中央通り地下通路(サンポチカ)で行う。同エリアにおける歩行者の回遊性向上と賑わい創出へ向けた取り組みの一環だという。


今回の実証で使用される自動走行モビリティ「iino type-S712」は、改正道路交通法における「遠隔操作型小型車」規格に合わせて開発されたモデルで、歩道空間での走行も可能になる予定だ。国内唯一の遠隔操作型小型車規格での複数人・立ち乗りタイプのモビリティだという。

すでに2022年2月に、三宮の私有地においてテスト走行を実施済みだ。

■ナンバープレートを付けて走行

今回は「第一種原動機付自転車」の保安基準緩和認定を受け、「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」のもと、ナンバープレートを付けて走行する。車両サイズは、全長1195ミリ×全幅695ミリ×全高1050ミリとコンパクトで、最高時速は5キロとなっている。

「動く家具」のコンセプトのもと、外観には木材が使用されあたたかみのある印象で、街路樹の多い街中にもフィットするデザインだ。停止中にはテーブルやカウンターとしても利用できるという。


出典:関西電力プレスリリース

目線の高さは立っている状態とほとんど変わらないため、周囲の人とのコミュニケーションもとりやすいという。一般的な遠隔操作型小型車規格のモビリティは、1人乗りがほとんどだが、iino type-S712は家族や友人とともに乗車でき、最大で3人まで乗車可能だ。関西電力によると、このタイプのモビリティが公道を走行するのは、全国で初めてのことだという。

実証は1月27〜29日の午前11時〜午後5時に行われ、1月27日の午後2時半~5時以外は、誰でも無料で自由に乗車可能だ。身長105センチ以上であれば、子どもも乗車できる。

■実証を経て実用化が実現していく?

友人や家族と出かけても一緒に移動できるiino type-S712。乗り降りも気軽にできる。実証を経て実用化が実現する流れとなっていくのか、注目したい。

【参考】関連記事としては「自動運転移動サービスが驚きの「運賃ゼロ」!「物販」導入で」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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