日本を含む世界各国の企業が自動運転車の開発でしのぎを削っている。そんな中、米ライドシェア準大手のLyft(リフト)の共同創業者兼社長ジョン・ジマー氏は、「人による運転は当分続く」とコメントしている。米メディアが報じた。
スタートアップメディアTech Crunchが主催したカンファレンス「TechCrunch Disrupt」において2022年10月21日に語られたもので、「今後10年以上は、ドライバーを必要としなくなる時期が来るとは思えない」と述べたようだ。
ただし、将来的には自動運転車が全体の1〜10%を占めるようになると想定しているようだ。また、技術的な問題のほかにコスト面での問題もクリアできれば、自動運転はいずれは普及するとも語っている。
■ライドシェアはいずれ自動運転タクシー化
ライドシェア企業にとっては、自動運転がどのタイミングで普及するのかどうかは、非常に重要な要素だ。
現在はライドシェアの運転手は「人間」だが、いずれライドシェア事業者はギグワーカーを使わなくなり、事業形態を自動運転タクシーに変えると考えられているからだ。
その理由は、長期的にみれば自動運転車の導入・展開コストの方がギグワーカーの人的コストよりも安くなる可能性が高いからだ。
Lyftも上記のような理由から、いずれは事業形態をライドシェアから自動運転タクシーに変えると考えられるが、ジマー社長の考え方では、少なくとも10年ほどは事業転換には本格的に取り組まないのかもしれない。
■自動運転にもしっかりアプローチ
最後に、Uberは知っていてもLyftについてはあまり知らない人もいるかもしれないので、米ライドシェア準大手のLyftについて少し触れておこう。
2012年設立のLyftはライドシェアサービスを手掛け、2019年にはNASDAQに株式上場した。Lyftによれば、過去10年間で1億1,200万人以上のユーザーが30億回以上乗車し、500万人のドライバーはトータル数百億ドルを稼いだという。
現在のビジネスはギグワーカーを使ったライドシェアサービスだが、自動運転にアプローチをかけていないわけではない。2022年8月には、HyundaiとAptivの合弁会社であるMotionalと共同で、ロボタクシーサービスを米ラスベガスで開始している。
アメリカでは注目度が高い企業だけに、同社の自動運転に関する考え方には関心を寄せておきたい。
▼Lyft公式サイト
https://www.lyft.com/
【参考】関連記事としては「ついにUber Eatsが自動運転配送!配送車開発のNuroと契約」も参照。