タクシー配車アプリ事業を手掛けるDiDiモビリティジャパン株式会社(本社:東京都港区/代表取締役:シュ・ケイシ)の第5期決算(2021年4月〜2022年3月)が、このほど官報に掲載された。
売上高は9億8,900万円で前期比82%増となり、2期連続で増収となった。赤字額は前期21億9,700万円だったが、今期は19億8,000万円に圧縮され、第3〜5期にかけて赤字が連続して縮小している。
■第5期決算概要
賃借対照表の要旨(単位:百万円)
資産の部
流動資産 3,596
固定資産 42
資産合計 3,638
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負債の部
流動負債 1,894
(うち賞与引当金)(41)
(うち契約負債) (132)
純資産の部
株主資本 1,743
・資本金 6,950
・資本剰余金 6,950
・・資本準備金 6,950
・利益剰余金 △12,156
・・その他利益剰余金 △12,156
負債・純資産合計 3,638
損益計算書の要旨(単位:百万円)
売上高 989
売上原価 1,186
売上総損失197
販売費及び一般管理費1,862
営業損失 2,059
営業外収益 7
営業外費用 23
経常損失 2,076
特別利益 98
税引前当期純損失 1,977
法人税、住民税及び事業税 3
当期純損失 1,980
■注文回数は前年比で2倍に
ソフトバンクと中国のライドシェア大手DiDi Chuxing(滴滴出行)の共同出資で、2018年6月に設立されたDiDiモビリティジャパン。日本では法規制によりライドシェアの展開ができないが、ライドシェア事業で培ったAI需要予測や配車システム技術を生かし、タクシー配車事業を展開している。
2018年9月に大阪からサービス展開を始め、「金土初乗り無料キャンペーン」「友達紹介キャンペーン」などのプロモーションで、タクシー業界のPR合戦を加速させた。事前確定運賃を導入しているのが特徴だ。
現在は北海道、宮城、東京、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知、大阪、京都、兵庫、広島、福岡、長崎、沖縄でサービスを提供している。東京の都心部限定だが、ワンランク上のサービスをタクシーより安く利用できる「DiDi Special」も展開している。
2022年6月の同社の発表によると、2022年5月の注文回数は前年同月比で2倍増となったという。2022年1〜5月の累計利用回数も、前年同期比で1.7倍と、2022年1月以降増加を続けているようだ。同社はタクシー配車アプリが浸透し、実際にDiDiの使いやすさや利便性などが顧客に認められたことで、利用回数が増えていると分析している。
■頭ひとつ抜き出た存在になるか
2022年に入って順調に利用回数も伸ばしている様子のDiDiモビリティジャパン。多様なキャンペーンも続々と提供し、話題を集めている。日本でのタクシー配車会社の中で、頭ひとつ抜き出た存在になるのか、今後も注目していきたい。
※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。
【参考】関連記事としては「タクシー配車アプリDiDi、売上2.5倍の5.4億円!日本法人の第4期決算」も参照。