米陸軍、「ロケット砲」を自動運転化へ

光などを使わない特殊なセンサーも必要に



出典:AvMC公式YouTube動画

米陸軍戦闘能力開発コマンド航空・ミサイルセンター(AvMC)が「Autonomous Multi-Domain Launcher(自動運転型マルチドメイン・ランチャー:AML)」を開発し、遠隔操作と自動運転を可能とするために取り組んでいるようだ。

米メディアの報道によると、民間よりも高度な技術が搭載される見込みのようだ。







■車線がない土地を走行する難しさ

AvMCのエンジニアはAMLの基本プラットフォームとして、高性能な「High Mobility Artillery Rocket System(高機動ロケット砲システム:HIMARS)」を使用し、遠隔操作と自動運転ができるよう改造して、人的リスクを軽減しようとしている。AMLは陸軍の近代化と戦力増加に大きく貢献する可能性があるという。

ただし、民間の舗装された道路とは異なり、軍の車両が走る道は危険な地形を走らなければならないほか、敵軍からの弾丸に耐える耐久性なども求められる。

AvMCのAMLプロジェクト・マネージャーであるルーカス・ハンター氏は、テスラなどが道路の車線などを検知しながら自動運転をする技術を開発しているのに対し、AMLは公道のような車線がない土地を走行しなければならない難しさを指摘している。

■特殊なセンサーも必要に

ちなみにAvMCは2021年6月、AMLがどう機能するかを示すYouTube動画を公開している。

AMLには複数のフロントカメラやGPSアンテナ、LiDAR、電子機器、自律操舵モジュールなどが搭載される予定で、ハンター氏は「光や音などの検知可能なエネルギーを出さずに状況認識データを収集する特殊なセンサーが必要」とも述べている。

また、遠隔地の司令官がさまざまな場所からAMLにアクセスでき、1人で複数のランチャーを制御できるよう検討も進めているようだ。

■軍事利用目的の開発で発展が進む?

インターネットも、最初は軍事技術として開発された。自動運転技術も、米国防高等研究計画局(DARPA)が自動運転レースを主催するなどしており、兵器開発などを通じてさらなる発展を遂げることも十分にありうる。

【参考】関連記事としては「自動運転の歴史と現状(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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