Woven Cityに取り組むトヨタ子会社、360億円の最終赤字

ウーブン・アルファの第2期決算



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」に取り組むトヨタ子会社のウーブン・アルファ株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役:ジェームス・ジョセフ・カフナー・ジュニア)の第2期の決算が、このほど官報に掲載された。

ウーブン・アルファの今期の売上高は139億5,600万円だった。当期純損失は360億5,000万円で、前期の7億5,000万円から大幅に赤字が増えた。


■決算概要(2022年3月31日現在)
貸借対照表の要旨(単位:百万円)

▼資産の部
流動資産 6,253
固定資産 1,841
資産合計 8,095
▼負債及び純資産の部
流動負債 11,825
(うち賞与引当金 1,603)
固定負債 15,570
(うち退職給付引当金 63)
株主資本 △19,300
資本金 8,725
資本剰余金 8,775
資本準備金 8,775
利益剰余金 △36,800
その他資本剰余金 △36,800
負債・純資産合計 8,095

損益計算書の要旨(単位:百万円)

売上高 13,956
売上原価 11,112
売上総利益 2,844
販売費及び一般管理費 38,764
営業損失 35,920
営業外収益 94
営業外費用 92
経常損失 35,918
税引前当期純損失 35,918
法人税等 57
法人税等調整額 74
当期純損失 36,050

■ウーブン・アルファってどんな会社?

ウーブン・アルファはWoven Cityやトヨタ独自の開発プラットフォーム「Arene(アリーン)」、自動地図生成プラットフォームの「AMP」など、新領域での事業拡大の機会を探索して革新的なプロジェクトを推進している。

同社は2021年6月、いすゞ日野とともにAMP活用に向けた検討を始めると発表した。AMPを小型トラック領域へ活用し、高精度地図を使った自動運転や先進運転支援技術による安全な物流の実現を目指すものだ。同月、三菱ふそうトラック・バスとも、AMPを使った共同研究の開始を発表し、10以上の実証項目の検討を進めている。


2020年4月からはダイナミックマップ基盤(DMP)と、高精度3次元地図の整備を進める共同の実証実験を開始している。AMPを活用して普及モデルの車両センサーで収集した画像などのデータから道路上で変化した箇所を検出し、DMPのHDマップの効率的な更新の可能性を探っている。この技術により費用対効果の高いHDマップの整備と維持管理が可能になり、AMPの存在感が高まる可能性がある。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

【参考】関連記事としては「トヨタ子会社ウーブン・コア、純利益は42%増の22億円」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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