自動車に関するセキュリティ事業全般を手がける株式会社NDIAS(本社:東京都港区/代表取締役社長:橋本幸典)=エヌディアス=の第4期(2021年4月〜2022年3月)の決算公告が、このほど官報に掲載された。
第4期の当期純利益は前期2,937万円から60%増の4,710万円だった。黒字は3期連続となっている。
■第4期決算概要(2022年3月31日現在)
貸借対照表の要旨(単位:千円)
資産の部
流動資産 289,888
固定資産 57,246
資産合計 347,134
負債及び純資産の部
流動負債 112,080
(うち賞与引当金)(41,730)
固定負債 8,572
負債合計 120,653
株主資本 226,481
・資本金 100,000
・資本剰余金 50,000
・・資本準備金 50,000
・利益剰余金 76,481
・・その他利益剰余金 76,481
・・(うち当期純利益)(47,107)
純資産合計 226,481
負債・純資産合計 347,134
■「ホワイトハッカー」として活躍
2018年設立のエヌディアスは、自動車部品大手のデンソーと野村総合研究所グループのセキュリティ事業の中核を担うNRIセキュアテクノロジーズが設立した合弁会社だ。資本金は1億円で、それぞれ50%出資している。
【参考】関連記事としては「デンソー、NRIセキュアとサイバーセキュリティ新会社「NDIAS」設立へ 自動運転車やつながるクルマ守る」も参照。
自動運転車はハンドルやブレーキ制御をハッキングされると、命に関わる事故が起きる可能性があるため、従来の自動車より高いセキュリティが求められる。そんな中、高機能化した次世代モビリティ向けのセキュリティ事業を展開するエヌディアスは重要な役割を担う。
同社はサイバー攻撃を防御する「ホワイトハッカー」として、車載電子機器の開発や移動体通信システム、Webシステム、SoCなど多様な技術領域をカバーしながら、外部からのサイバー攻撃を未然に防ぐ技術を開発している。これまで自動車セキュリティ関連で100以上のプロジェクトと50以上のECUセキュリティ評価、300以上の脆弱性を検出してきた。
2019年6月には、セキュリティエンジニアを抱えるイエラエセキュリティと、車両・車載電子機器のセキュリティ評価に関する技術を共同開発することに合意したと発表した。同年8月からは、オープンソースの自動運転OS「Autoware」を開発するティアフォーとの共同研究を開始した。両社は自動運転におけるセキュリティ技術の獲得や向上を目指している。
トレーニング・サービスの提供も
2021年4月には、車載電子機器設計・開発者向けのハンズオントレーニング・サービスの提供を開始した。同サービスを活用することで自動車セキュリティに必要な知識や技術を習得できる。2022年6月には同トレーニング・サービスの上級版の提供開始を発表している。
■エヌディアスへの注目度、さらに向上へ
自動運転車の実用化・高度化に向け、セキュリティ技術への需要は今後も高まっていく。それに伴い、エヌディアスへの注目度も増していくことになりそうだ。
【参考】関連記事としては「デンソー出資のNDIAS、増益で2期連続黒字!自動運転向けセキュリティ技術など開発」も参照。