イスラエルの運輸・道路安全省が、自動運転車によるドライバーレスでの駐車を解禁する準備を進めているようだ。海外メディアが2022年5月12日までに報じている。
現時点でイスラエルの運輸・道路安全省の規制では、人間主体の運転でなければ自動車を駐車することができない。しかし、今後複数回にわたって規制緩和に向けたテストを重ねた上で、自動駐車を解禁する方向性で議論が行われているという。
こうした状況の中、現地で話題になっているのが、米EV(電気自動車)大手テスラの「スマートサモン(Smart Summon)」機能が使えるようになるのでは、といった点だ。
■イスラエルでテスラのシェアが拡大?
テスラのスマートサモンは自動駐車機能ではなく、駐車場に停車した車両を呼び寄せる機能だが、イスラエル政府が駐車に関連する車両動作の無人化を解禁すれば、スマートサモン機能も使えるようになるのではないか、といった臆測が飛び交っている。
ちなみにイスラエルのEV市場において、テスラの2021年のシェアは6割と高い。これまでは量産車である「モデル3」の販売のみだったが、2022年4月からはSUV(多目的スポーツ車)タイプの「モデルY」も展開し、7月には注文した顧客に車両が届けられる予定だ。
イスラエルでテスラのスマートサモン機能が利用できるようになれば、同国でのテスラのシェアがさらに拡大することにつながる可能性が高い。
■駐車場や私道で利用可能なSmart Summon
スマートサモン機能はテスラが2019年9月から展開を始めている。「summon」とは日本語で「召喚する」「呼び出す」といった意味だ。利用するには有料オプション契約が必要で、ドライバーは駐車場や私道などの公道以外の場所で同機能を利用できる。
想定される同機能のユースケースとしては、荷物が多かったり、単純に車両まで歩いて行ったりするのが面倒なときはもちろん、ドライバーとテスラ車の間に大きな水たまりがある場合なども便利に利用できる。
以下は、テスラがModel 3のOwner’s Manualで公開しているスマートサモン機能の取扱説明書だ。
▼スマートサモンの取扱説明書
https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/ja_us/GUID-6B9A1AEA-579C-400E-A7A6-E4916BCD5DED.html
イスラエルでテスラのスマートサモン機能が使えるようになり、同国におけるテスラのシェアがさらに伸びることになるのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転技術」も参照。