LiDAR開発ベンチャーの米Luminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)は2022年3月27日までに、高性能レーザーチップを開発する米Freedom Photonics(フリーダムフォトニクス)を買収したことを発表した。
Freedom Photonicsの高性能レーザーチップは、LiDAR製造で中核部品として使われている。Luminarは同社を買収することでLiDAR製造の垂直統合を進め、製造コストを下げる狙いがある。
LiDARは自動運転車のコアセンサーだが、「価格が高い」というのが業界において課題として認識されており、自動運転車の製造コストを下げるためにはLiDARの製造コストを下げる必要があると考えられている。
そういう意味でもLuminarのFreedom Photonics買収は、業界において注目されるトピックスとなっている。
■LiDARの中核部品の開発企業を続々買収
2012年に設立されたLuminar。2021年1月には独メルセデス・ベンツとパートナーシップを結び、メルセデス・ベンツがLuminarの量産型低コストLiDAR「Iris」を採用することが決まっている。他の自動車メーカーからの受注も増えているようだ。
そんなLuminarはこれまでにもLiDARの部品を生産している企業を買収している。2017年にはカスタム信号処理チップメーカーのBlack Forest Engineering、2021年にはレシーバーチップメーカーのOptogrationを買収している。
このほど買収したFreedom Photonicsは2005年設立で、レーザーや光検出器を主に手掛けている企業で、高性能レーザーチップの開発・製造において高い評価を受けている。LuminarのJason Eichenholz最高技術責任者(CTO)は「世界最高レベル」と太鼓判を押す。
■低コスト化・高性能化に向けた動きに注目
LiDAR業界はベンチャー企業がひしめき、各社がLiDARの低コスト化を進めている。低価格でかつ性能が高いLiDARを開発できれば、自動運転車を開発するOEM(完成車メーカー)やIT企業と巨額の供給契約を結べる可能性が出てくるからだ。
引き続き、Luminarの低コスト化そして高性能化に向けた動きに注目していきたい。
▼Luminar Technologies公式サイト
https://www.luminartech.com/
【参考】関連記事としては「サービス売上が139%増!自動運転向けLiDAR開発の米Luminar」も参照。