自動運転業界において買収・合併の動きが少しずつ目立ち始めている中、自動車部品大手の独ボッシュが2022年3月1日までに、高精度3Dマップを展開する独atlatec(アトラテック)を買収する計画を発表した。買収金額は公表されていない。
atlatecは、ボッシュのクロスドメイン・コンピューティング・ソリューションズ部門の一部として、独立運営されるという。
ボッシュはこれまで地図分野で多様な企業と協業してきたが、atlatecを買収することで、センサーやソフトウェア、マップなど、自動運転に必要な構成要素の全てを自社で提供できるようになるという。
ボッシュの自動運転ユニット幹部のStephan Hönle氏は「atlatec社の高解像度地図作成技術パッケージは、ボッシュにとって理想的な付加価値となる」と述べている。
■トヨタとも取引があるatlatecとは?
2014年設立のatlatecは、ドイツの高精度マッピング企業だ。日本とアメリカに法人を有しており、日本法人は2019年7月に設立された。日本では、トヨタやホンダ、マツダ、SUBARU、デンソーなどと取引がある。
atlatecはマップデータの作製のために独自のセンサーボックスを開発し、収集したデータをAI(人工知能)で分析することで、交通標識やカーブの鋭さなどの情報をマップデータに追加する。マップデータにおける車線形状や地物情報の誤差は、cm単位の精度だという。
すでに自動バレーパーキングの技術も開発し、自動運転分野でさまざまなアプローチを試みているボッシュ。今回のatlatecの買収は、そんなボッシュの貪欲さを一層際立たせた。
▼atlatec公式サイト
https://atlatec.de/en/
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