マサチューセッツ工科大学(MIT)発の自動運転ベンチャーとして注目が集まっていた米Optimus Ride(オプティマス・ライド)が、1カ月ほど前にカナダの自動車部品メーカーであるMagna(マグナ)に吸収されていたようだ。
報道によれば、Magnaは2022年1月にOptimus Rideを買収し、同社のエンジニアなど120人以上を雇用したという。Optimus Rideのエンジニアは同社本拠地であったボストンにそのまま残る。Magnaは、ここを拠点としてエンジニアリングセンターを設立するようだ。
■MIT発の自動運転ベンチャーOptimus Rideとは?
Optimus RideはMITの卒業生らが2015年に創業した企業で、自動運転車のソフトウェアのほか、自動運転シャトルバス並びにシャトルサービスを開発していたことで知られている。
自動運転シャトルバスはバージニア州の複合施設やマサチューセッツ州の都市開発地域のほか、ニューヨーク州ブルックリンの工業地帯でも導入されていた。特にニューヨーク州では民間企業による自動運転車の商業目的での運用は初めてだったこともあり、注目を集めた。
2021年4月にはスポーツ系車両メーカーのPolaris(ポラリス)社と提携し、完全自動運転の低速EV(電気自動車)を2023年後半までに販売すると発表していた。
■CEOのハリントン氏の今後の去就は?
Magnaは今後、Optimus Rideの技術や人材を最大限活用し、まずはADAS(先進運転支援システム)関連への取り組みを加速することを目指すという。
今後気になるのが、Optimus Rideのショーン・ハリントンCEO(最高経営責任者)の今後の動きだ。Magnaとともに技術開発を進めるのか、それとも別にスタートアップを立ち上げ、新たなスタートを切るのか。業界で注目を集めていただけに、関心が集まりそうだ。
【参考】関連記事としては「米ニューヨーク州の海軍施設で、自動運転車が定期運行 Optimus Ride社が開発」も参照。