株式会社竹中工務店(本社:大阪府大阪市/取締役社長:佐々木正人)は2021年12月12日までに、開発した「建設ロボットプラットフォーム」を用いて、ロボットによる複数階での資材配送の実証実験を行い、その有用性を確認したことを発表した。建物の3次元データを含むBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を経路設定にうまく活用したことなどが特筆すべき点だ。
実証実験は、建設機械器具のレンタルなどを手掛ける北海道の株式会社カナモトと共同で行ったという。実証実験に使用されたロボットは、香港のスタートアップ企業Rice Roboticsの自律走行型配送ロボット「RICE」だ。
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■「BIM」を活用した経路設定
今回に実証実験は、「手動操作による事前の地図作成を行わず、BIMのみでの経路設定」で行われた。
BIMは「Building Information Modeling」の頭文字をつなげた略称で、建物の3次元デジタルモデルにコストや管理情報などのデータを追加し、設計や施工、維持管理など全ての工程で情報を活用することを指す。
従来、自動配送ロボットを建物内で走行させる際は、事前に手動で地図を作成し、走行ルートを設定する必要があった。しかし、建設ロボットプラットフォームではBIMで地図を作成することができるため、手動操作での走行ルート設定が不要となった。
ロボットには360度カメラが搭載されており、配送だけではなく、工事の進捗状況の確認でも活用できるという。
■エレベーターとの連動の仕組みは?
今回の実証実験の肝である「エレベーターとの連動」は、本設エレベーターに仮設でIoT機器を取り付けることで行われた。
自動配送ロボットがエレベーター前まで移動すると、建設ロボットプラットフォームを通じてIoTプラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」にエレベーターの呼び出しや目的階の指示を出す。ロボットがエレベーターから降りた後は、通常の運用状態に戻る。
Ville-feuilleは三菱電機が開発しており、ソフトバンクが入居するビルでの実証実験でも活用されている。ちなみにその実証実験でも、今回と同じくRICE使用されていた。
▼Rice Robotics公式サイト
https://www.ricerobotics.com/ja/
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■大手総合建設会社という枠を超えて
竹中工務店は大手総合建設会社だが、過去に走行車両が道路に与える振動を電力にかえる技術を開発するなど、社会にインパクトがありそうなさまざまな新技術の開発に力を入れている。今回の取り組みも、こうした取り組みの一環であると言える。
引き続き、竹中工務店の取り組みに注目していきたい。
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