トヨタモビリティサービス株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役社長:村上秀一)の2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)の決算公告が、官報に掲載された。
第3期の売上高は前期比5.8%増の1,005億400万円、営業利益は前期比232.7%増の19億5,300万円だった。最終損益は、前期は4,700万円のマイナスだったが、第3期は13億4,100万円のプラスとなり、黒字転換している。
■決算概要
賃借対照表の要旨(2021年3月31日現在)
資産の部
流動資産 28,041
固定資産 189,810
・有形固定資産 182,173
・無形固定資産 206
・投資その他の資産 7,431
資産合計 217,852
======
負債及び純資産の部
流動負債 82,196
固定負債 116,523
株主資本 18,967
・資本金 1,759
・資本剰余金 6,629
・(資本準備金)(346)
・利益剰余金 10,587
・(利益準備金)(437)
・(その他利益剰余金)(10,150)
評価・換算差額等 165
・その他有価証券評価差額金 165
負債・純資産合計 217,852
(単位:百万円)
損益計算書の要旨(2020年4月1日~2021年3月31日)
売上高 100,504
売上原価 85,542
売上総利益 14,961
販売費及び一般管理費 13,008
営業利益 1,953
営業外収益 622
営業外費用 820
経常利益 1,755
特別利益 185
特別損失 41
税引前当期純損失 1,899
法人税等 695
法人税等調整額 △136
当期純損失 1,341
(単位:百万円)
■ちかチャリにBooking Car、独自サービスを続々提供
トヨタモビリティサービスは、トヨタ自動車の100%子会社であるトヨタフリートリースと、100%孫会社のトヨタレンタリース東京が2018年4月1日に統合して設立された会社だ。
将来のコネクテッド社会に対応できるモビリティサービスを開発・提供し、この分野でリーディングカンパニーとなることを目指している。
2019年6月にはモビリティサービスの一環として、レンタサイクルサービス「ちかチャリ」を東京都内の一部地域で開始した。ユーザーはヤマハ発動機製の電動アシスト自転車を利用でき、観光や地域経済の活性化に貢献することも目指しているという。
2020年11月には「Booking Car」というサービスの提供を開始している。Booking Carは、企業の社用車管理をデジタル化し、休日や営業時間外、夜間などの時間帯に、社用車を従業員に貸し出せるようにするサービスだ。
従業員は安価な料金で社用車を使え、福利厚生サービスとしても注目を集めている。ちなみに、キーボックスを活用することで、24時間365日、無人での鍵の受け渡しと返却が可能だという。
▼トヨタモビリティサービス公式サイト
https://t-mobility-s.co.jp/file/special/63601/486/html/index.html
■いずれはe-Paletteを活用した移動サービスの運営も?
第3期は黒字転換したトヨタモビリティサービス。今後もどのようなサービスを展開していくのか、注目していきたい。
いずれは、トヨタ本体が開発するMaaS向けの自動運転EV(電気自動車)「e-Palette」を活用した移動サービスの運営を担う存在になるのかもしれない。
※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。
【参考】関連記事としては「トヨタのMaaSサービス「my route」を徹底解説」も参照。