自動運転でも活躍する「3D-LiDAR」や点群データを活用するビジネスの創出を目的とした「スマートセンシングアライアンス」(SSA)が、2021年6月21日までに設立された。
発表したのは、アライアンスに参加するNTTドコモや綜合警備保障(ALSOK)、パイオニアスマートセンシングイノベーションズで、アライアンスにはITサービス企業のSCSKも参加している。ちなみにパイオニアスマートセンシングイノベーションズはLiDARを開発していることで知られている。
また報道発表では、SSAは参加企業を限定することのない拡張型のアライアンスであることも言及されている。
【参考】関連記事としては「高性能かつ小型!パイオニア、自動運転向け近距離LiDARの量産開始」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) December 19, 2020
■アライアンス設立の背景と目的は?
3D-LiDARはさまざまな用途で使われるが、自動運転車の実用化に各社が取り組む中で、ここ数年で飛躍的な発展を遂げてきた。ただし、3D-LiDARなどのセンサーの活用シーンは限定的で、その性能が幅広いシーンで生かされていないという現状があった。
そんな中でのアライアンス設立。目的は主に2つあるという。1つ目は「社会課題解決へ貢献する3D-LiDARを利活用したソリューションの開発・提供」、2つ目は「3D-LiDARなどのセンサーから得られる点群データなどの収集および、その利活用による付加価値の創出」だ。
報道発表によれば、当面は低速移動ロボットによる警備や監視での利活用をターゲット領域とし、その後は交通などさまざまな領域に対しても展開をしていく予定だという。
■幅広い活用で市場規模の拡大はさらに加速か
市場調査会社の矢野経済研究所による2018年のレポートによると、LiDARの市場規模は2017年の約25億円から、2030年には約5,000億円規模まで膨らむと言われている。実に200倍になるという予測だ。
この予測は自動運転技術の実用化が進むことを根拠としたものだが、今回のアライアンスのような取り組みが広がり、LiDARがより幅広く活用されるようになれば、市場規模はさらに拡大するかもしれない。
【参考】関連記事としては「LiDARとは?自動運転で活躍するセンサー、2030年に市場規模200倍に」も参照。