東京都は新たな都政の羅針盤となる長期戦略の検討を進めている。最近では「『未来の東京』戦略(案)」を取りまとめ、パブリックコメントも実施中だ。この戦略案には、自動運転に関することも少なからず盛り込まれている。
▼「未来の東京」戦略(案)
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/mirainotokyo-senryaku_d/html5.html
記事の目次
■「20+1」の戦略と自動運転
この戦略案では、2030年に向けた「20+1」の戦略が紹介されており、この中の「都市の機能をさらに高める戦略」や「スマート東京・TOKYO Data Highway戦略」において自動運転に関する記載がある。
「都市の機能をさらに高める戦略」における自動運転
「都市の機能をさらに高める戦略」では、西新宿エリアや東京ベイエリアで自動運転技術を活用することが盛り込まれている。
西新宿エリアについては、楽しく歩けるまちづくりの形成を図るとし、具体的な取り組みとして、自動運転技術やMaaSなどによる効果的な移動支援策の創設を検討するとしている。西新宿では、すでにMobility Technologiesやティアフォー、アイサンテクノロジーら5社が自動運転タクシーの事業化に向けた実証実験を行なっており、実用化も着実に近づいている。
東京ベイエリアについては、「大胆な規制緩和により自由度の高い実験が可能なエリア」として、ドローンや空飛ぶクルマ、自動運転などの大規模な実装を展開するとある。具体的には、2021〜2030年にかけて東京ビッグサイト周辺などで、自動運転や空飛ぶクルマなどの実装を目指すようだ。
「スマート東京・TOKYO Data Highway戦略」における自動運転
「スマート東京・TOKYO Data Highway戦略」では、「分野横断的なサービスの都市実装を推進」が掲げられており、この中で2025年までに無人自動運転移動サービスの実現を目指すことが触れられている。さらに空飛ぶクルマなどの活用も2030年を目途に実現するとしている。
■小池都知事「荒唐無稽だと思えるアイデアも実現できる」
東京都の小池百合子知事はこの長期戦略の策定についてメディアからインタビューを受け、1901年に発行された新聞に「二十世紀の予言」という未来予測記事が書かれていたことについて触れている。
そして、1901年には嘘のように思われていたことが現在では普通に実現されていることをあげ、「荒唐無稽だと思えるアイデアも実現できることを歴史が証明している」と力強く語っている。
世界の首都や大都市で自動運転や空飛ぶクルマの実現に向けた取り組みが進む中、日本の首都・東京も小池知事主導のもとで負けじと存在感を高めていけるか、関心が集まる。
【参考】関連記事としては「東京ロボコレ、自律移動型のロボットたちが登場!東京ポートシティ竹芝オフィスタワーで実証実験」も参照。