高速バス大手のWILLER株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役:村瀨茂高)は2020年2月13〜19日にかけ、シンガポールのST Engineeringなどとともに、関西文化学術研究都市の公道で自動運転サービスの実証実験を実施する。
コロナ禍による外出機会の減少を受け、運動不足やストレスなどの課題の緩和に向けて取り組まれるもので、高齢者や在宅勤務者向けに自動運転車を活用した移動サービスを提供し、フィットネスプログラムなどが受けられるようにするという。実証実験は京都府と精華町の協力の下で行われる。
■コロナ禍、高齢者と在宅勤務者に焦点
高齢者向けには、自動運転車で移動してもらい、移動先でプロのトレーナーによるフィットネスプログラムを受講できるようにする。
在宅勤務者に対しては、自動運転車とシェアサイクルを移動手段として提供し、移動先でのフィットネスプログラムの受講のほか、ホテルの一室でテレワークも体験してもらうという。
使用する自動運転車両は「NAVYA ARMA」(定員14人)で、セーフティオペレーターが1人乗車して運行される。セーフティオペレーターの研修や3Dマッピング、ルート設定などはソフトバンク子会社のBOLDLY(ボードリー)が担う。安全のため最大時速は15キロに抑える。
この実証実験は、関西文化学術研究都市推進機構が提供する企業乗合型・住民参加型の「けいはんな公道走行実証実験プラットフォーム(K-PEP)」を活用して実施され、京都府の「コロナ社会対応ビジネスモデル創造事業補助金」の対象にもなっているという。
■ニューノーマル時代の活用方法
今回の実証実験を前に、すでに2020年12月に自動運転の安全性や運行計画の妥当性を検証しており、今回は運行コストの明確化や受容性・利便性・事業性の評価を行うという。
自動運転車両の開発が進む中、今回のようにコロナ禍の高齢者や在宅勤務者に焦点を当てた取り組みは、まさにニューノーマル時代にぴったりの活用方法だと言えそうだ。
【参考】関連記事としては「日本のWILLER、シンガポール国立庭園で自動運転バスの実証実験」も参照。