自動運転において「目」の役割を担う「LiDAR(ライダー)」。このLiDARに関するニュースは2020年もさまざま報じられたが、また新たなニュースが飛び込んできた。
LiDAR開発大手の米Velodyne Liidar(ベロダイン・ライダー)は2020年12月8日までに、自動運転大型トラックの開発において、トルコの商用車大手フォード・オトサンと協業することを発表した。
フォード・オトサンは、米自動車大手フォードとトルコの財閥コチ・ホールディングスの合弁会社だ。今回の協業でフォード・オトサンはベロダイン製LiDAR「Velarray H800」を使用し、自動運転大型トラックの開発を進めていくという。
フォード・オトサンは既に、360度のサラウンドビュー知覚技術で自動運転を支援するベロダイン製LiDAR「アルファ・プライム」を使用しているが、Velarray H800を使用することで車載ナビ機能や衝突回避機能の性能を高めることができるという。
■企業間競争が過熱するLiDAR市場
Velodyne Lidarは、1983年に米シリコンバレーを拠点にオーディオ会社としてスタートし、2015年にLiDAR開発を手掛ける企業として設立された。LiDAR開発はロボットカーレースに同社の創業者が参加したことがきっかけで始まったことで知られる。
現在ではLiDAR開発企業の中で高い注目度を誇っており、自動運転の実証実験で使用される車両でも頻繁にVelodyne Lidar製のLiDARを目にする。2018年12月には日本のニコンが2,500万ドル(約28億円)の出資を実施したことでも知られる。
ただLiDAR市場は参入企業が増えており、例えば最近では同じアメリカ企業では米ベンチャーのLuminarも存在感を高めている。そんな中でVelodyne Lidarも自社製品の供給先の確保に一層力を入れており、将来的なサプライヤー契約の獲得に向けた各社との共同開発プロジェクトも今後増えていきそうだ。
企業間競争が過熱するLiDAR市場から目が離せない状況が続く。
【参考】関連記事としては「LiDARとは?自動運転の目となるセンサー、レベル3実用化で市場急拡大」も参照。