自動車部品メーカー大手の独ボッシュと独ダイムラーの高級車事業会社メルセデス・ベンツは2020年10月21日までに、共同開発を進めている自動バレーパーキング(AVP)システムをドイツ国内のシュツットガルト空港での営業運用に向け整備すると発表した。
ボッシュとメルセデス・ベンツは欧州の駐車場運営大手Apcoaとともに、従来からドライバーレスの完全自動駐車システムの導入を検討していた経緯がある。今回の営業運用が実現すれば、世界初のことになるとみられる。
■自動バレーパーキングとは?実証の内容は?
日本ではあまり耳馴染みのないバレーパーキングとは、駐車する際に運転手に代わり専門の係が駐車作業するサービスのことだ。自動バレーパーキングが実現すれば、駐車作業を担う専門の係は基本的には必要なくなり、関連業務の省人化につながる。
また、センサーを使って駐車位置を極限まで詰めることができれば、より駐車スペースを有効利用できると考えられている。そのため、元々駐車スペースが小さな都心部の商業施設などでも導入効果が大きく期待できるとされている。
そんな自動バレーパーキングの商用化に向け、3社はシュツットガルト空港のP6駐車場でテストを実施する。自動バレーパーキングの利用者が車両の乗降に便利な場所に、広い乗降エリアが設置される予定で、車両やインフラ技術、駐車場運営会社間の連携がスムーズに進むかなどを検証するという。
検証では新型メルセデス・ベンツの新型Sクラスが使用され、ボッシュは新型カメラを提供するという。
■【まとめ】駐車はシステムが担うことが当たり前の時代に
駐車はシステムが担うことが当たり前の時代がいずれやってくると考えられる。シュツットガルト空港での営業運用実現は、そうした時代に向けた弾みとなりそうだ。ボッシュはこの分野でリーディング企業であるだけに、期待が掛かる。
【参考】関連記事としては「自動バレーパーキングとは? 自動運転技術を活用 開発企業は?」も参照。