自動運転ベンチャーに資金調達の大チャンス!トヨタが8億ドル規模「Woven Capital」発表

子会社TRI-ADが設立、狙いは?



自動運転関連ソフトウェアの先行開発を行うトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社(本社:東京都中央区/最高経営責任者:ジェームス・カフナー)=TRI-AD=は2020年9月15日までに、運用総額8億ドル(約880億円)のグローバル投資ファンド「Woven Capital, L.P.」=ウーブン・キャピタル=を設立すると発表した。


TRI-ADはトヨタ自動車の子会社。ウーブン・キャピタルの運用期間は10年。自動運転技術などを開発する企業などに積極的に出資するものとみられ、関連技術を手掛けるスタートアップ企業やベンチャー企業にとっては資金調達の新たなチャンスが到来したとも言えそうだ。

■投資ファンド設立の目的は?

TRI-ADは2021年1月より、持株会社ウーブン・プラネット・ホールディングスと事業会社ウーブン・コア、ウーブン・アルファの新体制に移行すると発表しているが、ウーブン・キャピタルはウーブン・プラネット・ホールディングスの傘下に入り、100%子会社として新体制移行と同時に活動を開始する予定となっている。所在地は米国となる。

出典:トヨタプレスリリース

投資対象は以下の領域にある成長段階の企業で、自動運転やモビリティそのものだけでなく、スマートシティやAIなど先端技術を幅広くカバーしている。これらの企業への投資により、ウーブン・プラネット・ホールディングス全体の製品やサービスの成長に役立てていく計画だ。

・自動運転モビリティ
・自動化
・人工知能
・機械学習
・データアナリティクス
・コネクティビティ
・スマートシティ


トヨタ自動車系列では「Toyota AI Ventures」=TAIV=が2017年より米国でアーリーステージの自動運転モビリティやロボティクス関連企業に投資するベンチャーキャピタルとして活動しているが、TAIVの投資案件を引き継ぎ、さらに追加出資を必要とする成長段階の企業へも投資を行うと発表している。

■チーム人材も募集中

TRI-ADでは、世界を変革することにコミットできる、熱意ある投資プロフェッショナルおよびサポートスタッフの募集も始める。投資チームのパートナーとなる経験豊富な投資家をはじめ、ベンチャーキャピタルなどで5年以上の経験を持つ人材も募集中だ。

世界のスマートシティやモビリティ分野への投資に挑戦できる仕事に興味がある方は挑戦してはいかがだろうか。募集ページは「こちら」。

【参考】関連記事としては「自動運転関連ソフト開発のトヨタTRI-AD、事業拡大へ組織再編を発表」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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