日本の大手企業が、MaaSプラットフォームを手掛けるリトアニア発スタートアップTrafi(トラフィ)と、続々と業務提携を結んでいる。
住友商事とあいおいニッセイ同和損害保険がTrafi社との業務提携に合意したことを、2020年8月7日までに発表している。Trafiとはどんな企業なのか。
■日本企業と続々と業務提携
住友商事はグループ会社である欧州住友商事を通じ、Trafiと業務提携契約を結んだ。
住友商事グループでは、「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」の1つに「多様なアクセスの構築」を挙げており、MaaS関連の取り組みを進めている。
今回の提携を通じ、各国・各地域の状況に合わせたMaaSプラットフォームの展開や、ヒトやモノの移動が最適化されたスマートシティの実現を全世界で検討していくという。
一方のあいおいニッセイ同和損害保険は、「安全・安心で快適なモビリティ社会」の実現を目指し、これまでにもMaaS関連企業との業務提携や実証実験の参加などを進めてきた。
Trafiとの業務提携を通じ、新たなモビリティサービスに対応した保険加入窓口や商品・サービスの研究開発などを行っていくという。
■Trafiとはどんなスタートアップ企業?
Trafiは、リトアニアの首都ビルニュスに本社を構える2013年創業のスタートアップ企業だ。
日本ではあまり知られてはいないかもしれないが、Google Mapや米ライドシェア準大手Lyftのライドシェアサービスに対して経路検索機能や到着時刻予測機能などを提供しており、こういった領域で高い技術力を有している。
これまでにドイツやトルコ、ロシア、インドネシアなどにおいて交通関連のプロジェクトに参画し、その実績は各国のお墨付きだ。
2019年9月からはドイツのベルリン市交通局が運営するMaaSアプリ「Jelbi(イェルビ)」で同社の技術が実用化されている。Jelbiではアプリ上で、公共交通機関やシェアリングサービスなどを含む多様な移動手段を使った最適なルートが表示される仕組みだ。
■【まとめ】日本でもTrafiの存在感が高まりそう
日本でもMaaSの実用化に向けた動きが加速している。日本だけではなく、海外も舞台にMaaSビジネスを展開しようとしている日本企業も少なくない。そんな中、Trafiの存在感は今後、日本そして日本企業の間でも高まっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。