自動運転ソフト開発のJ-QuAD、第1期決算は4億円の純利益を計上

デンソーやアイシン精機などの出資により設立



出典:官報

デンソー、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトの4社が設立した株式会社J-QuAD DYNAMICS(本社:東京都中央区/代表取締役社長:隈部肇)=J-QuAD=の第1期決算(2020年3月31日現在)が官報に掲載され、当期純利益が4億754万円に上ったことが明らかになった。

同社は自動運転の統合ソフトウェアを開発する企業として、2019年4月にデンソーが全体の65%、アイシン精機が25%、アドヴィックスが5%、ジェイテクトが5%を出資し、設立された。


出資元の4社が持つ自動運転・車両運動制御等の技術知見を結集し、東京本社と刈谷支社にて自動車メーカーに向けて車両の統合制御システム開発を支援するソフト開発やサービス提供などを行なっている。

決算における各数字は以下の通りとなっている。

▼資産の部(単位:千円)
流動資産 1,749,975
固定資産 1,456,003
資産の部合計 3,205,978

▼負債及び純資産の部(単位:千円)
株主資本 507,541
資本金 50,000
資本剰余金 50,000
資本準備金 50,000
利益剰余金 407,541
その他利益剰余金 407,541
(うち当期純利益 407,541)
純資産の部合計 507,541
負債及び純資産の部合計 3,205,978


■自動運転に関する知見も持っている精鋭集団

同社は2020年5月21日、自動運転ECU(電子制御ユニット)の開発プラットフォームとして、米GitHub社の「GitHub Enterprise Cloud」を採用したと発表した。出資4社の開発環境を引き継ぎながらも、今後の連携のために環境を統一したことで、スピード感のある開発が期待できる。

J-QuADは日本を代表する自動車部品メーカー4社の出資企業ということで、自動車メーカーのニーズをよく理解し、自動運転に関する知見も持っている精鋭集団と言える。今後の動向についても注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





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